同社は2月15日、セコイア・キャピタルが主導したシリーズ A ラウンドで2500万ドル(約37億6000万円)を調達したと発表した。同社はまた、初の有料製品を一般公開し、ウェイトリストに登録していた数万人向けに提供を開始した。
「LangSmith」と名づけられたこの新製品は、プログラマーがOpenAIのGPT-4などの大規模言語モデル(LLM)をベースにアプリを構築する際、基礎となるコードの追跡やテストを支援する。従来は、企業がAIのプロトタイプ構築から、ビジネスに大きな変化をもたらす大規模でリリース可能なアプリに移行する際、可視性と制御が障害になっていたとチェイスは指摘する。
「LLMを扱うということは、複雑なアプリケーションの中心に非決定性のあるものを据えるということを意味する。それを改善するためには、何が起こっているのかを正確に理解する必要がある」とチェイスはいう。
LangChainは、今回の調達を発表した公式ブログの中で、2023年7月にクローズドベータを開始したLangSmithが、楽天やElastic、Moody’s、Retool といった大手企業にも利用されていると述べている。また、チェイスによると、毎週数百人のユーザーが新規登録しており、ウェイトリストの登録者は、過去6カ月で8万人に膨れ上がったという。現在の月間ユーザー数は約5000人で、そのうちの40%が日常的に利用しているという。
LangChainの短期間での成功は、LLMの急速な普及を反映している。チェイスは、AIリスク管理ツールを提供するRobust Intelligenceの機械学習エンジニアだった2022年にLangChainをオープンソースプロジェクトとしてリリースした。その年の11月にOpenAIのChatGPTがリリースされ、生成AIブームが起きると、彼はDiscordやGitHub、ツイッターを通じて何百人ものエンジニアたちがChatGPTに群がるのを目撃した。彼は1月に会社を辞め、LangChainのプロジェクトに関連した会社を設立した。
もともと、LangChainはチェイスが自分自身のために構築したツールだった。「この分野にはたくさんのツールが開発されており、私はそれらをすべて簡単に試すことができる共通のインターフェイスが欲しかった」と彼は話す。
投資家の関心も急速に高まり、LangChain は昨年2月にベンチマークが主導するシードラウンドで1000万ドル(約15億円)を調達していた。