鳥類が地球に出現したのはいつだろうか。科学者らは、現生鳥類が現れたのは小惑星が地球に衝突した6600万年前頃だろうと推定している。その衝突によって当時地球に生息していた種の4分の3が絶滅したにもかかわらず、鳥類は絶滅しなかった。事実、古生物学者たちは長年、小惑星衝突が鳥類の進化に大きな波を引き起こしたと主張しており、その理由を、多くの競争相手がいなくなり、現在の驚くべき多様性へと進化する機会が与えられたためだとしている。
しかし、国際研究チームによる最近の研究は、現生鳥類が小惑星衝突の数千年前に多様化し始めていたと報告しており、小惑星衝突が鳥類の進化に主要な影響を与えなかったことを示唆している。
この発見は、現生鳥類の大部分を含む124種から採取した遺伝子データの広範な掘り起こしと分析に基づくもので、鳥類の出現がこれまで考えられていたよりはるか以前にさかのぼることを示した。
研究チームは鳥類のDNAを分析して高精度の鳥類系図を再構築し、鳥類の主要なグループ間の関係を調べた結果、この結論に至った。論文の主著者でジョージア工科大学の進化生物学者であるシャオユアン・ウーと共同研究者たちは、すべての現生鳥類の共通祖先が約1億3000万年前に生息していたことを明らかにした(図1)。
ウーと共同研究者たちは、新鳥類の35の目すべてを含む118の種からゲノムスケールのデータを採取・分析し、それぞれの枝に蓄積された遺伝子変異の数に基づいて、これらの系統がいつ分岐したのかを推定した。分岐が多いほど、変異の数は多い。ウーと共同研究者たちは、DNAの4つのクラスにわたる2万5460個の遺伝子座を調査してこの系図を作った。