企業や学校のITコストを削減
メーターの本社があるサンフランシスコからほど近いバークレーにある小学校のブラック・パイン・サークル・スクールのIT責任者のエヴァン・ジャクソンによると、同校は、これまでCiscoのCisco Merakiを含む5つのベンダーを組み合わせたシステムを使っていたが、メーターと契約することでアップグレード費用を約20万ドル節約できたという。また、学校のITインフラ管理をメーターに委託することで、今後5年間で30%のコスト削減を見込んでおり、ITチームを3人から2人に減らすこともできたという。信頼性の高さも、顧客がメーターを選ぶ理由の1つだ。レッドウッド・シティに本拠を置くバイオテクノロジー企業Earliが入居するビルは、数カ月前に光ファイバーケーブルの問題でインターネット接続の問題を起こしたが、同社はメーターが管理するバックアップシステムのおかげで悪影響を避けられたという。
しかし、メーターによる新規顧客の獲得は、外食大手のアップルビーズやスターバックスなどを顧客とするMerakiに打撃を与えているわけではない。Merakiは他のCisco製品とバンドル販売することで、メーターにとって手ごわい競合になっているとモーニングスターの株式アナリスト、ウィリアム・カーウィンは指摘した。
「この市場はCiscoが独占している。メーターがニッチを切り開くことを期待しているが、必ずしもCiscoのシェアを奪えるとは考えていない」と彼はいう。
しかし、メーターのシリーズAラウンドを主導し、既存出資元のセコイア・キャピタルと共同でシリーズBラウンドを主導した投資家のグルームは、地味な製品分野で顧客から愛されるチャレンジャーブランドを築き上げたバラナシらの能力を高く評価しており「Stripeを創業したパトリックとジョンのコリソン兄弟を彷彿とさせる」と語った。コリソン兄弟は実際に、メーターに個人的に出資している。グルームによると、彼はジョン・コリソンの紹介でメーターに出資したという。
「通常、創業者に投資するときは最初の評価が最も高く、情報量が増えるに連れて粗が見えてくるものだ。しかし、アニル(・バラナシ)の場合はその逆で、時間が経つごとに感心させられる」とグルームはいう。
バラナシによると、新たに調達した資金は、大口顧客向けのサポートに投資するほか、新しいソフトウェア機能やハードウェアスイッチとワイヤレスアクセスポイントのアップデートに充てる計画だという。「ITインフラを専業とする企業からすばらしい製品を購入したいという、満たされていないニーズが大きいことを市場は教えてくれている」と彼は語った。
(forbes.com 原文)