音楽

2024.02.24

世界を「青春」で埋めよ!│新しい学校のリーダーズ

新しい学校のリーダーズ|ダンスヴォーカルパフォーマンスユニット

「個性と自由ではみ出す」4人組ダンスヴォーカルパフォーマンスユニット、新しい学校のリーダーズ(MIZYU、RIN、SUZUKA、KANON)。2023年は彼女たちの一年だった。昭和歌謡とダンスミュージックを融合させた楽曲「オトナブルー」(20年にリリース)がTikTokで話題を呼び、メディア出演も増加。初出場の「NHK紅白歌合戦」には深紅のセーラー服姿で登場し、ほかの出演者らとともに“首振りダンス”で盛り上げた。

結成8年目の大ブレイクに「まいた種がやっと実をつけた一年」と振り返る4人。「思い返したら、去年のはじめの方には『Mステ』(ミュージックステーション、テレビ朝日系)に出られたらいいよねと言っていたのが、目標を飛び越してMステは3回、紅白にも出していただけて。予想もしていなかったところまでたどり着けました」(KANON)。

リーダーズの武器は、高い技術のダンスとパワフルなライブパフォーマンス。メンバー全員がクリエイターでもあり、ダンスの振付やライブの演出、TikTokの投稿動画に至るまでこだわり抜いて考えている。15年に結成後、CMやドラマ主題歌などを通じて少しずつ知名度を上げ、21年には88risingからとして世界デビュー。以降、ロサンゼルスでの楽曲制作や大型フェスへの出演など、海外でも活躍の舞台を広げている。

23年には、北米のほかメキシコシティ、香港などを巡る初の海外ツアーを成功に収めた。国内外を飛び回り、10月に東京体育館での初のアリーナワンマンを終えたあと、SUZUKAは少し気持ちが落ち込む時期があったという。

「海外のライブシーンでは、どんな尖ったパフォーマンスもアートとして見てもらえて、パッションとエネルギーさえあれば受け入れられていたんです。でも日本では『ちょっと怖い』なのか『気持ち悪い』なのかわからないけど、そういう反応も少なからずあって、“自分たちらしさ”とのギャップを感じることもありました。それで自分のなかで“わけわからん”となって、絡まった糸を必死にほどこうとして……でも自分だけじゃ答えは出せないし、メンバーに素直に相談しました」

中学・高校時代から、多くの時間を過ごしてきた4人。迷い悩んだときは、答えはひとりではなくチームで出すのが暗黙のルールとなっていた。話し合いを経て挑んだ24年1月の武道館ライブ。SUZUKAはMCで、メンバーとの絆を再確認し涙を流す場面もあった。
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インタビュー=田中友梨 文=堤 美佳子 写真=小田駿一

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年4月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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