「あの時は本当にショックでした。その瞬間、頭の中ですべてのメッセージを分析したんです。どれが本当の彼との会話で、どれがボットとの会話だったのか? その違いは何なのか? 考え出したら止まらなくなりました」とカリーナは語った。
AIを用いた恋愛支援アプリ
マッチングアプリがAIを活用するのは珍しいことではない。BumbleやHinge、Tinderといった人気のアプリのいくつかは、マッチングを調整したり、ヌード写真を排除したり、詐欺師からユーザーを守るために、長い間このテクノロジーに頼ってきた。しかし、ChatGPTをはじめとする生成AIが登場して以降、このテクノロジーはさまざまなアプリに導入されている。ここ数カ月で、口説き文句を作るためのボットや、プロフィールに磨きをかけるためのAIエディター、自撮り写真を見栄えのするものに変えてくれる写真ジェネレーターといったツールが続々とリリースされている。
「マッチングアプリは、AIを活用するための最適な分野の1つと言えます」と、ベンチャーキャピタルのCleo Capital(クレオキャピタル)の創業者でBumbleのシニアアドバイザーを務めるサラ・クンストは話す。「AIは、人々が以前はこっそりやっていたようなことから、恥の意識を取り除くのです。実際にアプリを使ってみると、そんなに悪いものじゃないことに気づくのです」と彼女は語った。
デート関連のポッドキャスト番組『We Met At Acme』を運営するリンゼイ・メッツェラーは、AIの導入で、忙しい人でもデートがしやすくなり、恋愛についてのアドバイスを求めている人の需要を満たすサービスも生まれていると語る。「AIツールから、人間のようなアドバイスが得られるのであれば、それはテクノロジーの勝利だと言えます」と彼女は述べている。