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2024.02.28 11:00

唯一無二の総合デジタルファームを目指す──就任2年目の社長が描く、電通デジタル2024年の青写真

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2023年はいつにも増して「変化」の年だった──。2023年1月に電通デジタル代表取締役社長に就任して1年経ち、瀧本恒はそのように総括する。

「この大きな変化を前に、経営陣が考えていることを従業員に伝えよう、また従業員の考えていることに耳を澄ませようと、対話の機会を増やした1年でもあります。1,000人規模であれば顔と名前が一致しますが、社長になり2,500人の全従業員に語りかけるとなるとそうはいきません。東京と関西でタウンホールミーティングを開催したほか、社長室のドアを常に開け放ち、従業員の話を直接聞く体制を整えてきました」

社内の意思疎通や風通しのよさに定評のある電通デジタルが、あらためて全社員に伝えていこうとしている大きな変化とは何か。

デジタルマーケティングやDXの現在のビジネスシーンをどう捉えているのだろうか。

「総合デジタルファーム」を目指し、事業連携に強化した2023年

あらためて2023年とはどのような年だったか、瀧本は振り返る。生成AIの登場はデジタル広告やDXコンサルといった電通デジタルの本業にも大きなインパクトをもたらした。そして「DXバブル」の終焉。「業務効率を向上、改善させる」DXは一巡したと瀧本は見ている。

「それにともない、企業のDXのステージは『事業変革や新しい価値の創造』に進みました。しかし、まだまだ結果が出ていないのが現状です」

複雑化する経営課題を背景に、これからの企業はDXによる「既存事業の深化・高度化」のみならず、「新規事業の創造・開発」を同時に実施するのが課題。こうした時代認識のもと、電通デジタルも大きな変革を進めてきた。

23年4月、電通デジタルは自社を「総合デジタルファーム」と再定義した。目指すのは、デジタルマーケティングに強みを持つ広告会社という従来のイメージを脱し、クライアント企業の事業成長、新しい価値の創造、さらには社会・経済の変革と成長にコミットする企業になること。

「そのために、私たちは事業領域の『壁を低く、薄くする』取り組みに着手しています。これまで電通デジタルの事業は大きく4つの領域に分かれていました。デジタル広告・デジタルマーケティング領域、広告やWebサイトの制作を手がけるクリエイティブ領域、DXコンサル領域、IT基盤構築領域です。今後はこれら4領域の分断を解消し、クライアント企業を総合的に支援していきます」


「AI」「グローバル」を強化

2024年も引き続き、総合デジタルファームとしてクライアント企業の変革と成長にコミットする。さらに事業間の分断を解消する流れは加速し、「統合」へと向かい始めている。

例えば、広告領域とクリエイティブ領域の境目をなくし、「成長伴走」として1つの戦略的カテゴリーに。これによりクライアント企業のデジタルマーケティングを一気通貫で支援する。同様に、DXコンサル領域とIT基盤構築領域も「変革支援」として1つのカテゴリーに。コンサルを通じて課題の解決策を導くだけではなく、その実行やシステム導入まで伴走する。

「クライアント企業が求めているのは、マーケティングの成功であり、事業の成長です。顧客目線に立つなら、4つの事業が分断している必要は本来、どこにもない。大切なのは、メディアもクリエイティブも、デジタルもリアルも、すべてをシームレスに繋げて、1つの顧客体験を作り上げていくこと。24年には、4領域・2カテゴリーを横串で統合し、クライアント企業の課題に寄り添う組織も立ち上げました」

この動きは、AIおよびグローバルでの新展開にも表れる。

23年の電通デジタルは、「誰よりもAIを活用した会社になる」として、電通グループでAI開発をリードしてきたデータアーティスト社を吸収合併するなど、AI領域の強化に急いだ。同年5月には「ChatGPT」をはじめとしたAIツールを利用できるAPIを全従業員に付与。そして、10月に新たに立ち上げた独自AIサービスブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」も、着実に実績を積み上げている。

複数のサービスが発表されている「∞AI」だが、ブランドスタートに先駆け22年10月にいち早くサービスの提供が始まったのは、広告クリエイティブ制作のプロセスをAIで革新する「∞AI Ads」だ。訴求軸発見・クリエイティブ生成・効果予測・改善サジェストといった制作プロセスを途切れなくAIが支援する。これにより短時間で何百、何千というクリエイティブを生成し、より効果の高い広告の最適解をスピード感をもって追求することが可能になった。

「現在『∞AI Ads』を導入して広告クリエイティブを生成しているクライアント企業は70社以上。導入企業では、広告出稿量が全体で約38%増え、獲得単価は50%に低下しました。またクライアント企業の事業成長に貢献することで、われわれの広告予算も増えるという好循環が生まれています。この先も、企業が対話型AIを独自開発できる『∞AI Chat』や、バーチャルヒューマンやオウンドメディアの構築を支援する『∞AI Contents』などの本格提供が控えています」

また、24年1月には、「Dentsu Digital Global Center」を新設した。それまで各部門に点在していたグローバル対応可能な人材を結集したチームだ。メンバーたちのバックグラウンドは、10カ国以上。日本進出を目指す外資系企業や、グローバル展開を志向する日本企業に対して包括的なビジネス支援を行う。なお電通デジタルは、電通グループの海外事業において世界50カ国でCXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)領域を中心的に担うMerkle社との連携も強化している。

2024年4月に新設された「Dentsu Digital Global Center」のシニアマネジメント

2024年1月に新設された「Dentsu Digital Global Center」のシニアマネジメント


「日本企業が海外に進出すると、グローバルマーケットならではの課題に直面します。例えば日本企業が社会課題に対して感度が高い欧州に進出するとなると、優先的に対応するべきなのは環境保護なのか、循環経済なのか、DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)なのか等をコンサルしてほしいといったニーズとともに、グローバルサイトを再編する必要性も生じてきます。このような企業のニーズに対して、各国のプロフェッショナルとも連携しながら日本からプロジェクトを推進します。その中で我々の『∞AI』シリーズを輸出することもあるかもしれませんし、反対にMerkle社がもつケイパビリティを日本に輸入することも検討していきます」

電通デジタルが目指す「総合デジタルファーム」としての存在価値

「総合デジタルファーム」としての電通デジタルの事業領域は、広告マーケティングだけでなく、コンサルティング企業とも重なってくるものだ。デジタル広告・デジタルマーケティングの領域では圧倒的な強みを持つといっていい。一方、DXコンサルの領域は、大手コンサル企業との競争が激化している。そこで問われるのは、電通デジタルならではのコンピテンシーであり、パーパスだ。

電通デジタルのパーパスは「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」。

瀧本はなかでも「人の心を動かす」に注目する。それこそ、電通デジタルのコンピテンシーである「クリエイティビティ」が担うものだからだ。どんな製品・サービスを世に打ち出すときも、人の心を動かすクリエイティビティは強力な差別化要因。なにより、それは競合企業が真似しようにも、一朝一夕にはできない。

「クリエイターの育成やマネジメントは一筋縄ではいきません。例えば、コンサルタントと同じようにマネジメントしても、クリエイターが最大限に力を発揮できるかというと、そんなことはないのです。電通デジタルにとってクリエイティビティを大切にするのは『文化』であり、クリエイターが活躍できる場であることは非常な競争力になると自負しています」

クリエイティビティの力で、クライアント企業、その先にいる一人ひとりの生活者、そして電通デジタルの従業員の心をも動かすこと。それが新しい価値を創造し、ひいては社会・経済の変革につながるものと瀧本は確信している。「要するに、最終的には『世の中の人を幸せにする』ことが目標です」と瀧本はいう。それは会社としての存在意義であるのみならず、瀧本自身の信念とも重なっている。

一例として挙げてくれたのは、アサヒビールとの合弁会社「スマドリ株式会社」だ。お酒を飲めない/飲まない人、飲みたい時/飲めない時も、気兼ねなくドリンクを楽しみ、人生を豊かにできる「スマートドリンキング」、略して「スマドリ」を提唱。お酒を飲む場面での偏見や常識をアップデートし、飲んで集まる楽しさを誰もが享受できるムーブメントをつくろうというものだ。

「私の信念は、会社の仲間や、クライアント企業、その先にいるお客様も、みなが豊かな人生を送れるよう努めること。私がそれを完璧に実行できているかどうかはわかりませんが、一人のビジネスパーソンとして判断に迷ったとき、立ち返るのはそこです。会社だけ、自分だけが成長すればいいとは思わない」


「人が全て」の会社だからこそ人的資本投資を倍に

電通デジタルのコンピテンシーとは、クリエイティビティ。ならば、電通デジタルの未来を握るのは、クリエイティビティの担い手である「人」であり、「組織」の成長に他ならない。

「昨今、人的資本経営が語られていますが、我々こそ『人が全て』の会社。形ある製品やそれをつくる工場があるわけでもなく、人がいなくなったらがらんとしたオフィスが残るだけ。そして、電通デジタルの『人』の魅力を端的にいうと、実力があるのはもちろん、誠実な人が多い。これからも人への投資は惜しみませんし、24年は昨年比で倍以上の投資をする考えです。研修制度をより充実させ、経営陣と従業員の相互理解を通じて会社に対する満足度も高めていきたい。従業員との対話の機会もいっそう増やしていくことになるでしょう」

瀧本は加えて「仕事自体が面白い、仕事自体が学びになる会社」「このチームで働けて良かった会社」でありたいと力を込める。

「広い事業領域を掛け算していくことで、電通デジタルからは無限の可能性を発揮できる。社長になってそのことを改めて実感しています。その広大なフィールドこそ、電通デジタルで働く一番の魅力だと思います。また、その機会を能動的に生かせるだけの成長意欲のある人間、チャレンジ精神のある人間が集まり、成長している。その環境に魅力を感じる方と、一緒に働きたいですね」



瀧本 恒◎事業会社でHR事業の営業や情報通信事業でのマーケティングを経験し、2000年電通入社。2016年からは電通デジタルの執行役員、2021年からは電通のデジタルビジネスセンター長を経て、2023年1月に電通デジタル代表取締役社長執行役員に就任。

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Promoted by 電通デジタル | text by Yusuke Higashi | photographs by Shunichi Oda | edit by Masako Kihara

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