ヘルスケア

2024.02.18 14:00

医療用大麻にうつ改善効果 18週間の使用で重症度がほぼ半減

医療用大麻による治療でうつ症状が改善

患者は治療の一環として、自分のうつ病の重症度を0~10点で評価した。治療開始時の評価の平均値は6.9点だったが、医療用大麻の使用開始から6週後には5.1点に、12週後には4.1点に、18週後には3.8点に低下した。患者のうち14人(23.7%)は、6週後に重症度が半減した。

患者の3分の1強(35.6%)から副作用の報告があったが、いすれも軽度だった。報告された副作用は、目の乾き、口の乾き、食欲増進が各4人(6.8%)、集中力の低下、疲労感、見当識障害が2人(3.4%)、吐き気、頭痛、味覚変化、喉のイガイガ感、無気力、落ち着きのなさが1人だった。妄想や幻覚といった重篤な副作用の報告はなく、医師、精神科医、科学者からなる研究チームは、医療用大麻による治療の安全性が確認できたとしている。

研究チームは、慢性うつ病治療に医療用大麻を使用するための有効な推奨事項を導き出すためには、前向きコホート研究やランダム化比較試験など、できればより多くの参加者を対象としたさらなる研究が必要だと指摘している。

Algea Careの創業者兼最高経営責任者(CEO)で、親会社Bloomwell Groupの共同創業者でもあるユリアン・ウィヒマン博士は、「非常に有望で心強い研究結果だ。ドイツの精神疾患治療における医療用大麻の継続使用の効果をいっそう裏づけるものだ」「精神疾患や疾病の治療における大麻療法の効果をめぐる今後の研究の基礎にもなる」と述べている。

今回の研究結果は、うつ病の治療における医療用大麻の使用を検証した既存研究の結果とも一致している。医学誌Psychiatry Researchに2022年に掲載された研究論文では、不安障害やうつ症状のある患者7000人を対象とした調査で、大麻使用後の持続的な改善が報告された。医学誌Biomedicinesに昨年発表された研究論文でも、処方された大麻製品の継続的な使用と、高齢患者の疼痛、うつ症状、オピオイド系鎮痛薬使用の有意な減少に、相関関係がみられた。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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