ペットが「恋人獲得」や「ふたりの暮らし」にもたらす効果を研究結果から解説

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米国の多くの家庭では、ペットは家族の一員だと考えられており、およそ66%の家庭がなんらかのペットを飼っている。子ども同然に可愛がられる犬や猫などは、「ファー・ベイビー(fur-baby:毛皮のある赤ちゃん)」とも呼ばれている。

ペットを飼うことが人のウェルビーイングに極めて有益であることは、多くの研究で実証済みだ。一方で、ペットが恋愛関係で果たす複雑な役割に着目した研究もある。

よく知られているように、ペットは飼い主を精神的に支え、無条件の愛情を注いでくれる存在だ。ペットを飼えば、身体を動かす機会も増える。しかしペットは、飼い主が恋人を選んだり、関係を続けるかどうかを決めたり、カップル間に生じた怒りや苛立ちを鎮めたりする上でも重要な役割を果たすことが、さまざまな研究で明らかになっている。

この記事では、ペットと「飼い主の恋愛生活」について調査した研究結果を紹介し、「モフモフしたキューピッド」たちがどのような作用をもたらすのか、そのポイントを3つ説明しよう。

1. 動物好きは恋人を獲得しやすい

人間と動物の関係に関する研究を専門に扱う学術誌『Anthrozoös』で2015年に発表された研究によると、人が恋人になりそうな相手を評価したり、選んだりする際に、ペットは興味深い役割を果たしているようだ。面白いのは、そうしたペットが果たす役割に、男女間で違いがみられることだ。

この研究では、1200人以上の男女を対象に調査を実施した。その結果、男性より女性の方が、恋愛対象を選ぶ際に、ペットを飼っているか否かを判断基準にする傾向が強いことがわかった。つまり、「ペットを飼っている人に、より魅力を感じる」と回答した女性の割合が、男性の割合を大きく上回っていたのだ。また、この調査では「恋人候補の気を引く方法としてペットを利用している」と回答した男性は、女性よりも多かった。

ということで、ペットを飼っている男性は、ソーシャルメディアやマッチングアプリのプロフィル欄に、ペットの写真を必ず掲載しよう。ペットを飼っていることを前面に押し出せば、責任感や忍耐力、献身性があり、相手と関わりたいという気持ちをもっていることを示すことができる。

この調査ではさらに、男性より女性のほうが、パートナーとしての適性を見極める判断材料として、「ペットと触れ合うことが好きかどうか」を含める傾向が強いこともわかった。簡単に言えば、女性は、自分が飼っているペットにそっけない人や、まったく近寄らない人より、優しく接する人と交際を考える可能性が高いということだ。

誰のペットであろうと分け隔てなく動物に優しくする、というこのシンプルな行為は、その人の愛情深さを確実に示すものだ。そして、そうした態度が恋人を射止める確率を高め得ることは、科学的にも裏付けられているわけだ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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