中性子星からは、電波スペクトルでの観測に最適なパルスが、時計のように規則正しく、放出される。「パルサー」と呼ばれるこれらの天体から放出されるパルスは、中性子星の磁場と光速に近い速度で移動する荷電粒子によって生成される放射の特徴を示している。
アルゼンチン電波天文学研究所(IAR)の付属施設であるこの老朽化した望遠鏡は最近、ハードウェアとソフトウェアの両面をアップグレードする改修が実施された。そして2019年以来、2台の電波望遠鏡は現在進行中の「パルサー・モニタリング・イン・アルゼンチン(PuMA)」と呼ばれる取り組みの最前線にある。PuMA(ピューマ)は、現地に生息する大型のヤマネコにちなんだ名前だ。
IARと米ロチェスター工科大学の計算相対論重力研究センターとの協力体制の下で運用されているこの望遠鏡は、北半球にある同様の電波望遠鏡に比べて明らかに有利な点がある。それは、ベラ(Vela、ほ座)パルサーを含む観測対象のパルサーの多くが、南半球から最もよく見えることだ。
1月に同施設で取材に応じた、IAR天文台の台長を務めるギレルモ・ガンチョと、アルゼンチン・ラプラタ大学の博士課程学生で、現在はIARで研究を行っているエセキエル・スビエタによると、研究チームは現時点で10個のパルサーを観察しており、うち4個は両アンテナで毎日観測することが可能という。光学望遠鏡とは異なり、この天文台は24時間年中無休で運用されており、観測が中断されるのは悪天候が続いた場合だけだ。もしくは、局地的な電波干渉が特にひどい場合は通常、最新のソフトウェアフィルターを用いて、観測データセットから容易に除去できる。
ガンチョとスビエタが最も大きな関心を寄せているのは、少なくとも1回のグリッチを起こしたことが観測されている200個近くのパルサーだ。