GLAADが調査会社ニールセンのゲーム部門と共同で実施した調査によると、米国に住む13~55歳のゲーマーの17%がLGBTQを自認。この割合は、2020年にニールセンが公表した調査結果での10%から大幅に増加しており、米国の成人におけるLGBTQの割合である7.1%(調査会社ギャラップによる2022年の調査結果)よりもはるかに高い。
ゲーマーにおけるLGBTQの割合は、今後も増加する見通しだ。現在35歳未満のゲーマーのうち、23~28%がLGBTQを自認。ギャラップによると、ゲーマー以外も含むZ世代では、ほぼ5人に1人が自分はLGBTQだと考えている。
しかし、LGBTQのキャラクターやストーリーを含むゲームはXbox、PlayStation、任天堂の全デジタルソフトの2%しか占めておらず、大多数のゲームでインクルージョンが不足していると、GLAADの報告書は指摘している。
GLAADによると、LGBTQのタグがつけられたゲームの数が最も少なかったのはニンテンドーeショップで、50本のみだった。次いでPlayStationが90本、マイクロソフトが146本、PCゲームプラットフォームのSteam(スチーム)が2302本。ただしSteamでは「成人向け性的コンテンツ」を含むゲームを除外すると、この数は1506本に減少した。
ゲーム業界の状況を米国における他のエンターテインメント分野と比べると、広告(LGBTQを含む割合は3%)、ゴールデンタイムのテレビ番組(2022~23年のシーズンに放送された脚本付き番組でLGBTQのレギュラーキャラクターが登場した割合は10.6%)、大手配給会社10社の映画(LGBTQのキャラクター登場率は28.5%)に遅れをとっていることが、GLAADの調査から判明した。
GLAADは、LGBTQゲーマーに向けた作品作りは企業にとってメリットとなると主張。LGBTQのゲーマーは自分と同じジェンダーのキャラクターが登場するゲームを購入・プレイする可能性が1.4倍高いことや、全ゲーマーの29%がゲームのストーリーでのLGBTQ要素の増加を希望していること、LGBTQゲーマーの70%(非LGBTQゲーマーの46%)がゲイやトランスジェンダーに関する有害な表現やステレオタイプが含まれているゲームを購入する可能性が低いことを指摘している。
GLAADは報告書で「ゲーム会社はこれまで、ゲームユーザーの大半はLGBTQのキャラクターを中心に据えたゲームに興味を示さないか、あからさまに拒否するだろうと考え、そうしたゲームをこれ以上作らないようにしてきた」と説明。「しかし、私たちの調査では、LGBTQの中心的なキャラクターが登場するゲームがあっても、LGBTQ以外のゲーマーの大多数にとっては何の違いも生まないことがわかった」としている。
(forbes.com 原文)