国内

2024.02.15 12:05

「画期的な田舎町」へ。原発事故で95%が避難した双葉町のいま


本プロジェクト企画者の栗林も、想像していた以上の結果だったと言う。

「クリエイターの方たちに何を話したわけでもないのですが、この場所で機能するものとか、この土地の文脈を受け継いできたものを前提にしたアイデアが揃いました。双葉町で課題や歴史を学び、それをアイデアに昇華するという流れが自然に実現しました」

「まったく新しい画期的な田舎町」をつくる

「Futaba Drawing Camp」の様子をまとめたドキュメンタリー映像と、クリエイターのアイデアを集約したビジョン映像は2月15日に特設サイトで公開された。キャンプは第2弾以降も実施予定。参加クリエイターや協賛企業などの輪を広げていき、妄想が現実に変わることを目指す。


Futaba Drawing Camp #01 - VISION MOVIE

「参加者たちも言っていたのですが、クリエイターにとって、お題になった場所はすごく魅力的に見えます。町の中心にある産業交流センターの屋上から全景を眺めることができるのですが、『ここにどんなものを描いてもいい、つくってもいい』っていう状況がすごく楽しくて。これからもいろんなクリエイターが興味を持ってくれるという確信はあります」(栗林)

今後は、クリエイターたちが出したアイデアに賛同する企業も募集し、自治体や地元住民の理解を得たうえで、実際に施設の建設などの実現を目指していく。

双葉町の伊澤史朗町長が目指すのは、「まったく新しい画期的な田舎町」をつくること。藤澤によると、これの意味するところは、双葉町に帰ってくる人だけでなく、移住してくる人も受け入れて、新しい町に生まれ変わっていくということ。それを経て、震災前の居住人口である7000人にどれだけ近づけるか。

来月、東日本大震災から13年を迎える。ようやく双葉町の新しい街づくりが、本格的に始動した。

文=田中友梨 写真=「Draw in FUTABA」提供

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