宇宙

2024.02.14 13:15

「民間初」の月着陸を目指す米Intuitive社、まもなく打ち上げ

The Nova-C lunar lander from Intuitive Machines in Houston.(Brett Coomer/Houston Chronicle via Getty Images)

The Nova-C lunar lander from Intuitive Machines in Houston.(Brett Coomer/Houston Chronicle via Getty Images)

ヒューストンを拠点とする宇宙開発企業Intuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)は、同社初の月着陸ミッションの打ち上げを2月14日(現地時間)に実施すると発表した。同社は、1月に行われた別の米国民間企業による打ち上げ失敗や、12月の日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)による月着陸の成功に続いて、民間企業としては初の月面着陸を成功させようとしている。

インテュイティブ社は、イーロン・マスクが率いるスペースXのファルコン9ロケットで月着陸船「Nova-C」を月面に向けて打ち上げる。

IM-1と呼ばれるこのミッションは、バレンタインデーの未明にフロリダ州にあるNASAのケネディ宇宙センターで始動し、米国東部標準時14日0時57分(日本時間14日14時57分)以降の複数日のウィンドウ内で打ち上げを予定している。

Nova-C 着陸船は、Odysseus(オデュッセウス)と命名されておりOdie(オディー)の愛称で親しまれている。この着陸船は、月への軌道上でファルコン9ロケットから分離され、打ち上げから約9日後の2月22日に月の南極付近に着陸予定という。

IM-1の打ち上げは、14日の午前12時15分(日本時間14時15分)からNASAのウェブサイトやソーシャルメディア、NASA TVのライブストリームで視聴できる。また、インテュイティブ社スペースXも自社のウェブサイトからのストリーミングを予定している。


NASAはインテュイティブ社に1億1800万ドル(約178億円)を支払ったと報じられており、Nova-C着陸船のペイロードにはNASAの科学実験のための複数の機器が搭載されている。さらに、現代アート作家のジェフ・クーンズのNFTアートと連動する彫刻作品も月に運ばれる予定で、スポーツウェア大手のコロンビアが開発した新素材の断熱効果の実験も予定されている。

ピッツバーグを拠点とするアストロボティック・テクノロジーは、1月に月着陸船Peregrine(ペレグリン)を月に向けて打ち上げたが、離陸直後に燃料漏れが発生し、失敗に終わっていた。

アストロボティック社の試みは、インテュイティブ社のIM-1ミッションと並ぶ、NASAが宇宙開発を促進するための商業パートナーを構築する取り組みの一部だ。この2社の打ち上げは、NASAが商業月面輸送サービス(CLPS)と呼ぶ官民パートナーシップの一環として計画した複数のミッションの最初のものだ。

NASAは、長期的な計画として、このプログラムのコストを引き下げ、毎年2回の月着陸を実現しようとしている。CLPS のプロジェクトには、2028年までの期間に26億ドルの契約金が用意されており、ジェフ・ベゾスのブルー・オリジンやスペースX、ロッキード・マーチン・スペースなど14の米国企業が入札に参加している。

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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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