開催前の主催の発表によれば、120以上の国の代表、80以上の国際機関が参加。各国から200人以上のスピーカーによる100以上のセッションが設けられ、約4000人の企業代表やリーダーが集まるという。
「ドバイで、1年に行われるイベントで最も重要」とされるサミットの初日は、この地域で年に数日しか降らないという大雨に見舞われた。雨に弱い街では朝に警報が出され、交通渋滞もひどい状況だったが、会場のMadinat Jumeirahは熱気に満ち溢れていた。
今年のWGSのテーマは「Shaping Future Governments」。登壇者に、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOやOpenAIのサム・アルトマンCEO(ビデオ出演)を迎えるなど、AIやデジタル、テクノロジーのトピックを存分に取り入れながら、教育、都市、ヘルスケアなどさまざまな領域で政府や企業がどのように連携していくかが語られる。
いずれのセッションも10分や15分、長くて30分というスピーディな展開で、次から次へとトピックが変わり、視点やナレッジがシェアされる。メイン会場は1500人ほどを擁するホールだが、13日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のステージは満席で入場制限をするほどに。また、12日、300人規模のサブ会場で行われた「Government Creativity」に関するセッションが満席だったのも印象的だった。
こうした国際会議ではスイスで開催される「World Economic Forum」(世界経済フォーラム、通称ダボス会議)が有名だが、WGSの関係者は、「ダボスでは西側の声が中心になる。ここでは、それとは違う声が発信される」とその特徴と意義を語る。
ドバイを拠点にし、12日にルワンダのポール・カガメ大統領のセッションをモデレートしたCNNのアンカー、Eleni Giokosは「WGSではタフな問題も避けずに語られるのがいい」とこの場を評していた。
中東やアフリカの参加が多い状況を反映してか、現状、西側の認知度は高くないようだ。13日に「Future Cities」のセッションをモデレートした英誌「Monocle」の編集者は、「イギリスではあまり知られていない。実際参加している人も少ない」と明かす。会場には、日本人を含めアジア系とわかる人の姿は珍しく、カンドゥーラやアバヤ姿の人が大半を占めていた。
10回を超えたこのイベントは今後、世界にどんなインパクトをもたらしていくだろうか。