AI

2024.02.16 11:30

脳波を読み取って脳を刺激、睡眠障害や痛みを治療する米AIスタートアップ

安井克至
エレマインドが目指すのは、薬剤投与に頼らない非侵襲的な治療を行うことだ。薬には副作用があることが多く、ネガティブな症状だけを的確に治療できるわけでもない。エレマインドは、自社技術の有効性を裏づけるものとして、5つの臨床試験と論文を挙げている。その中には、生理的な震えや学習に関する査読済みの研究も含まれる。同社は2019年からステルスモードで研究開発に取り組んできた。

ベゾスやゲイツが支援するVCも出資

ワンによると、エレマインドのソリューションの大部分をAIが占めており、長期間デバイスを装着しているユーザーの問題をリアルタイムで検出・診断することができるだけでなく、時間の経過とともに脳波の最適な状態をより早く達成する方法を学習できるという。

「我々は最速で脳を望ましい状態に導くためにAIと機械学習を活用して刺激パラメーターを最適化している。この技術は、心のノイズキャンセリングのようなものだといえる。我々の技術は、聴覚刺激による位相同期によって脳波を異なる周波数に誘導し、状態を変化させる」と彼は述べた。

エレマインドは、将来的に「脳のためのアプリストア」を作り、ユーザーがさまざまな状態や症状、希望する状態に応じたソリューションをダウンロードできるようにしたいと考えている。

「我々のビジョンは、ユーザーごとに異なる状態に対応した最適な治療法を開発し、常に最適化された状態でいられるようにすることだ」とペリーは話す。

エレマインドの初期投資家には、ジェフ・ベゾスやリード・ホフマン、ビル・ゲイツらが支援するベンチャーキャピタルのVillage Global(ビレッジグローバル)やLDV Partnersズ、ペンシルバニア大学ウォートン校のAlumni Angelファンドなどが名を連ねている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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