ソウル南部の城南市(ソンナム)に本拠を置くRebellions(リベリオンズ)は1月末に、シリーズBラウンドで1億2400万ドル(約185億円)を調達し、累計調達額が2億1000万ドル(約314億円)に達したと発表した。「この金額は、競合他社のほぼ2倍だ」と同社の共同創業者でCEOのパク・ソンヒョンはインタビューで興奮気味に述べた。
リベリオンズの競合には、昨年7月に4500万ドルを調達したSapeon(サピオン)や、2021年に実施したシリーズBで7000万ドルを調達したFuriosaAI(フュルオサAI)などが挙げられる。
シリーズBラウンドにおけるリベリオンズの評価額は6億5000万ドルだった。「金利の上昇など、調達環境は非常に悪い。通常のマーケット環境であれば、我々は間違いなくユニコーン企業になっていただろう」とパクは語る。彼は、2020年にリベリオンズを起業する前は、モルガン・スタンレーのニューヨークオフィスでクオンツの開発に従事していた。
今回のラウンドを主導したのは、韓国の通信事業者であるKTで、他にはテマセク傘下のパビリオン・キャピタルやフランスの元デジタル経済大臣で韓国系フランス人のフルール・ペルランが設立したKorelya Capital、大和証券グループとデジタルガレージの合弁会社であるDG Daiwa Ventures、韓国のプライベート・エクイティ・ファームのNoh & Partnersらが参加した。
パクによると、投資家はリベリオンズのチームが米国の研究開発と韓国の製造のノウハウを持ち合わせている点を高く評価したという。パクは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学とコンピュータサイエンスの博士号を取得し、スペースXやインテル、サムスン電子のテキサス支社に勤務した経験を持つ。
「我々のような人材を持つAIチップメーカーは他になく、だからこそ我々は注目されたのだ」と彼はいう。例えば、リベリオンズの共同創業者でCTOのジヌク・オーは、IBMのニューヨーク事務所に6年間勤務した経験を持ち、韓国を代表する科学技術大学である韓国科学技術院で電気工学の博士号を取得している。