AI

2024.02.14 12:00

NY州も導入、高齢者向けAI搭載「孤独解消ロボット」の実力

(C)Intuition Robotics

2024年は、ロボットの年や人工知能(AI)コンパニオンの年になるといわれており、人型ロボットと人間とのコミュニケーションは、この分野の主要なテーマに浮上している。Intuition Robotics(インテューション・ロボティクス)と呼ばれるスタートアップは、過去8年間にわたり、粘り強くこの分野のイノベーションに取り組んできた。

イスラエルを拠点とするインテューション社は、1人暮らしの高齢者に特化して、人間と機械の間に永続的で深い関係を作り出すための方法を模索してきた。同社のロボットは、高齢者と特別な信頼関係を築き、彼らの行動特性や習慣、嗜好を学び、ユーザーのフィードバックに基づいて進化している。

インテューション社が開発したAIアシスタントロボットの「ElliQ」は、LEDディスプレイを用いて微妙な感情を表現し、親しみやすく温かみのあるコミュニケーションを提供する。このロボットのユーザーの90%は、毎日このロボットを使用しており、平均的なユーザーは、1日に30回以上のインタラクションを行っている。



「私たちは、この会社で手っ取り早くお金を儲けようとしているのではありません。長期的なビジネスを構築しようとしているのです」とインテューション社の共同創業者でCEOのドー・スクーラーは語る。

彼はまた、今日のようなソフトウェアが世界を席巻する時代の中で「ハードウェアの重要性は決して低くはない」と主張する。スクーラーは、スティーブ・ジョブズの言葉を借りて「私たちは、ソフトとハードを非常に緊密に統合することが、進むべき道だと信じています」と述べている。

インテューション社の革新的で長期的な視点は、同社がターゲットとしている保守的な経済セクターであるヘルスケア分野において特に重要だ。米国では成人の約2人に1人が孤独を経験していると報告されており、米国外科医総監によれば、社会的な孤立の死亡率への影響は、1日15本までの喫煙と同程度だという。
次ページ > ニューヨーク州などの当局が採用

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事