宗原智策が選ぶ、「ヨーロッパの気候変動関連企業5選」
Onego Bio国:フィンランド
設立年:2022年
設立者:マイヤ・イトコネン / クリストファー・ランドウスキー
世界的に供給不足になった卵。代替プロテインの最後のフロンティアとして世界中で過熱するレースのなかで先を行く。フィンランド技術研究センターの長年の研究が功を奏し、糸状菌を精密発酵させることで起泡性やゲル化性という特徴も兼ね備えた代替卵白の開発に成功した。
Allye
国:英国
設立年:2023年
設立者:ジョナサン・キャリア /ロレンツォ・ベルガマスキなど
世界的に普及が進むEVだが、一般的に10年弱で寿命を迎えるといわれている電池が10年後に世界的な課題になっているだろう。可能な限りの電池の再利用が重要となる。同社は、寿命を迎えた電池や事故などそのまま廃棄されている電池に着目し、電池を移動式の電力貯蔵装置によみがえらせている。
H2 Green Steel
国:スウェーデン
設立年:2020年
設立者:ヘンリク・ヘンリクセン
各産業のなかでもっとも排出量が多いといわれる鉄鋼業界が進めるグリーン製鉄だ。同社は、世界初の化石燃料を使わない製鉄所を建設。製鉄所の隣に巨大水素プラントを設置し、再生可能エネルギー100%水素でCO2を削減。2025年に稼働する予定のこのプラントの建設には神戸製鋼所が加わる。
Lun
国:デンマーク
設立年:2022年
設立者:マルティン・コリニョン /アンダース・ヴァレンティン
エネルギー危機で日本ではよく使われているヒートポンプの需要が急増。ヒートポンプの熱は再生可能エネルギーとも位置付けられる。同社は、個人向けに建物の間取りや住所、家族構成などを入力するだけで最適なヒートポンプ設置プランを提示、設置から管理まで一貫して行うプラットフォームを提供。
Solid World
国:エストニア
設立年:2021年
設立者:ステンバー・ヤーク/アイ・ウィリアム・タムサー
マングローブなどの自然由来のカーボンクレジットの先物取引を進める。将来発生するであろうクレジットのリスク分析や価格予測をAIで行い、ブロックチェーン上のプールで集めた資金を開発者に先渡しすることで、手元に資金がない開発者がマングローブ再生事業などを手かげることを可能とする。
宗原智策◎北欧VCのNordicNinja代表パートナー。JBICにて、メキシコにおける再エネファンドの設立や欧州向けのベンチャー投資をリードした後、2019年に NordicNinja を設立。北欧中心に欧州地域でのベンチャー投資を行う。