このサービスの開始日は、現時点では明らかにされていない。Xはこの取り組みを通じて、クリエイターと広告主の双方に利益をもたらし、動画シェアリング分野の巨人であるYouTubeに対抗しようとしている。
プレロール広告の収益の一部は、クリエイターに分配されるが、Xの広報担当者は、具体的にどのような分配になるかについてのコメントを避けたとブルームバーグは報じている。Xのクリエイターたちは、昨年導入された施策によってすでに広告の収益を受け取っている。
Xの発表によると、プレロール広告はタイムライン上でも、クリエイターのプロフィール上だけでも配信可能になるという。同社は、広告がタイムライン上の問題のあるコンテンツの近くに表示されるリスクを排除するために、個々のクリエイターのプロフィール上に限定して配信する機能を近々導入する予定だと付け加えた。
Xのクリエイターは、累計収益が5万ドル(約750万円)に達するまでの間は、Xがコンテンツから得た収益の最大97%を受け取ることが可能で、それ以降は最大90%を受け取るとされている。同社の広告収入の分配は、最終的にYouTubeと競合することになる。YouTubeは、収益分配に同意したクリエイターに対して、動画広告からの純収入の55%を支払っている。
Xのリンダ・ヤッカリーノCEOは、同プラットフォームがクリエイターに対する支払いを開始してから約2カ月が経過した昨年9月に、支払い額が2000万ドル近くに達したと述べていた。
Xが動画部門の強化に努める中、MrBeastとして知られるジミー・ドナルドソンのような著名クリエイターがその努力を後押しした。YouTubeで2番目に登録者数が多いクリエイターであるドナルドソンは、Xに投稿した最初の動画で26万3655ドルの収益を得たが、この動画は数カ月前にYouTubeに投稿した動画を再アップロードしたものだった。
昨年から動画への注力を開始したXは、元CNNキャスターのドン・レモンや、元FOXニュースのタッカー・カールソンのような政治ニュースキャスターのホームグラウンドとなっている。カールソンは先日、ロシアのプーチン大統領とのインタビューをXで公開した。
Xはまた、先週はプロレス団体のWWEとパートナーシップを結び、5分間の試合を独占配信しようとしている。ブルームバーグによるとXの広告収入は、昨年の最初の3つの四半期にそれぞれ6億ドル以上に達していたが、2022年の四半期あたりの広告収入は、10億ドルを超えていたという。
ディズニーやアップル、コムキャスト、IBMといった大手の広告主は、マスクが昨年、反ユダヤ主義的な陰謀論を唱えたユーザーの投稿に「あなたは実際の真実を述べている」と返信し、同意したことを受けてXから逃げ出した。
(forbes.com 原文)