このラウンドには、既存投資家のG&MキャピタルとアクセラレーターのParticleXが参加したほか、フィンテックに特化したVCのウィングス・キャピタル・ベンチャーズが新たに加わった。今回の調達により創業6年のMediConCenの累計調達額は1270万ドルに達した。同社は評価額を公表していない。
HSBC社のフィンテック部門の責任者のカラ・ビョンは、このラウンドに関する声明の中で「当社は、保険金請求手続きの簡素化とスピードアップにより、この分野のエクスペリエンスを向上させるというMediConCenの目標を支持している」と述べている。
新たに調達した資金をMediConCenは、中東と東南アジアでの事業拡大に使用すると述べている。同社は、これまで100万人以上の保険契約者を支援しており、香港のAIAグループのBlue CrossやHeng An Standard Life、中国のChina Life、バーチャル保険会社のBowtieを含む16の保険会社と提携していると述べている。
香港政府が支援するインキュベーション施設のCyberport(サイバーポート)で2018年に設立されたMediConCenは、ブロックチェーン技術を利用して医療保険請求を自動化している。同社は、デジタル署名とスマートコントラクトを使用することで、不正請求を減らすことが可能だと主張している。
MediConCenの共同創業者でCEOのウィリアム・ヨンは「既存のこの分野のスタートアップの多くは、保険業界の内部で働く人々によって作られているが、彼らは、古びたテクノロジーで旧来からの問題に対処しようとしている。当社は、最新の人工知能(AI)技術やブロックチェーン技術を今そこにある現実の課題に適用し、同業他社との差別化を図っている」と述べている。