「あの田中が一杯目に必ず飲むやつ」「飲むと人のことを褒め始めてしまう酒」などユニークなネーミングの4商品(フレーバーは2種)で、13日から全国のファミリーマートとドン・キホーテで先行販売する。
「友達がやってるカフェ/バー」は2023年4月、東京・原宿にオープン。“友達がやってる”という店名どおり、店員がまるで以前から友達だったかのようにタメ口で接客する。オープン後すぐにTikTokなどのショート動画で拡散され、週末は行列ができるほどの人気店となった。SHIBUYA109 lab.の「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2023」など、数々のトレンドランキングにもランクインした。
今回のコラボは、サントリーからの声がけで実現。担当の中村美保子(サントリー スピリッツカンパニー RTD・LS事業部 RTD部)によると、若年層向けの商品開発を模索していた時に開発チームで「友達がやってるカフェ/バー」を訪れ、感動したという。
「入った瞬間に(初対面のはずの店員に)『やっほー!』とか『お花見以来だね!』と言われて、まずは“楽しい!ハマっちゃうな〜“って。その体験から、おいしいお酒を味わうだけではなく、お酒を通して新しいコミュニケーションを生むことができるんだ、という学びがありました」
そこで、同店を手掛けるkakeruの代表でクリエイティブディレクターの明円卓に商品化をもちかけ、6月から共同開発をスタートした。サントリーが店舗とコラボして商品開発するのは異例のことだが、今回は若手社員の熱い支持にも後押しされて実現したのだという。
おいしいお酒を飲んだ時に、なんて言いますか?
商品開発にあたっては、あまり飲酒習慣がないZ世代にも“飲むきっかけ”を与えることを意識。お酒の魅力そのものでアプローチするのではなく、「友達がやってるカフェ/バー」のようなコミュニケーションが生まれる商品を目指した。商品名は、「コミュニケーションが生まれるもの」と「少し味を想起させるもの」の2軸で考案。500以上の候補の中から、「あの田中が一杯目に必ず飲むやつ」「飲んだ瞬間思わず『え? うまっ』と言うやつ」「スペイン旅行でめっっっちゃ美味かった酒」「飲むと人のことを褒め始めてしまう酒」の4つに絞った。
「開発過程で、明円さんから“コミュニケーションの余白“を残すことの大切さを教えていただいて。商品を見た時に思わずツッコミたくなったり、シェアしたくなったりするような、自然と消費者の行動を促すことができる“余白“を設けました」
例えば仲間で集まっている時に、「飲んだ瞬間思わず『え? うまっ』と言うやつ」を飲んだ人がいれば、「え? うまっ」と言うことを期待されるだろうし、「飲むと人のことを褒め始めてしまう酒」であれば、飲んだ人が友だちを褒めるという流れになるかもしれない。そうしたお酒を通した新しいコミュニケーションの創出を狙っている。
フレーバーは若年層でも飲用経験のある人が多いジントニックとサングリアを選択。それぞれできるだけ“飲みやすい味”に近づけた。
「おいしいお酒を飲んだ時に、なんて言いますか? 今の若い子たちは、『おいしい!』ではなく『飲みやすい!』と言うことが多いんです」(明円)
また、デジタルと連動した仕掛けとして、特設サイトも用意。缶の側面にあるQRコードを読み込むと特設サイトに飛び、サイト上で自分の名前を入れると擬似的に「友達からの接客」が受けられる。
「友達がやってるバー〈ジントニック〉」と「友達がやってるバー〈サングリア〉」(パッケージデザインは各2種類、1本当たり税別156円)は、計7万5000ケースを販売予定。第2弾以降の発売も検討中だという。