「状況の悪化に歯止めが利かなくなるのを回避するためには、西側からの時宜を得た援助がきわめて重要だ」とフロンテリジェンス・インサイトは強調している。より高性能な大砲やロケットランチャー、長距離飛行弾薬、それを発射する軍用機がもっとあれば、ウクライナ軍はアウジーイウカの廃墟をロシア軍に明け渡したあとでも、遠方からロシア軍の補給線を攻撃し、東部の状況を実際に改善していくことができる。
問題はいうまでもなく、米議会のロシア寄りの共和党議員らが4カ月にわたり、610億ドル(約9兆1000億円)規模の対ウクライナ支援予算の採決を拒んでいることだ。これには多数の長距離火力兵器に充当される資金も含まれるはずだ。
共和党議員らはその頑なな姿勢によって第110旅団の死活的に重要な弾薬を枯渇させ、アウジーイウカの陥落を助長した。彼らは同旅団の死亡した兵士たちを生き返らせることはできない。だが、アウジーイウカの防衛者たちを裏切ったせめてもの罪滅ぼしに、遅ればせながらも支援を承認して、ウクライナ軍が今後の戦いのために形勢を立て直すのを手助けすることはできる。
(forbes.com 原文)