政治

2024.02.09 08:00

プーチン大統領が米司会者のインタビューに応答 「準備ができ次第」公開へ

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2024年1月31日撮影(Getty Images)

ロシア大統領府(クレムリン)は7日、同国のウラジーミル・プーチン大統領が米保守系FOXニュースの元司会者タッカー・カールソンのインタビューに応じたことを認めた。

大統領府は、ロシアによるウクライナ侵攻に対するカールソンの見解が 「一方的」 でないことを理由に取材の要請を受け入れたと説明。他方で、プーチン大統領への取材を求めた唯一の西側の報道関係者であるというカールソンの主張は否定した。

ロシア国営タス通信によると、同国のドミトリー・ペスコフ大統領府報道官は、ウクライナを激しく批判するカールソンがプーチン大統領と会談したことを認め、「準備ができ次第」インタビューが公開されることを示唆した。英ロイター通信は、大統領府がプーチン大統領へのインタビューを許可したのは、カールソンの見方が「決して親ロシア的ではなく、親ウクライナ的でもない」代わりに「親米的」だったからだと説明したと伝えている。

カールソンはロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、西側の報道機関はプーチン大統領に「あえてインタビューしようとはしていない」と主張しているが、ペスコフ報道官はこれを否定し、大統領府は西側から多数の取材要請を受けていると明かした。ただ、ウクライナ侵攻を巡っては、他の西側報道機関は「完全に一方的な立場」をとっていると指摘。そういった機関とは「関わる気はない」と切り捨てた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、インタビューは米国時間の8日に公開されるもよう。

カールソンは6日、ロシアが約2年前にウクライナに侵攻して以降、西側報道機関との関わりを絶っているプーチン大統領にインタビューすると表明していた。カールソンは数日前にモスクワで目撃されており、ロシアのテレビ局の間では憶測が飛び交っていた。

カールソンは、他の西側報道関係者はプーチン大統領にインタビューをしようとしていないとしているが、ここ数年、同大統領に取材を申し込んだ記者は他にもいる。米CNNの記者クリスティアン・アマンプールもその1人で、カールソンの主張を批判している。

カールソンは、プーチン大統領にインタビューするのは「それが私たちの仕事」であり、「私たちは報道の世界にいる」からだと明言。米国人の多くはウクライナ侵攻について知らされていないと訴えた。

カールソンは米国のウクライナへの軍事支援に異議を唱えており、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「汗臭いネズミのようだ」と攻撃した。ロシアとウクライナの対立について2019年に討論した際、カールソンは放送中に「なぜ私がロシアを応援してはいけないのか?」と発言したが、後にこれは冗談だったと釈明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事