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2024.02.09 08:30

「未来」を魅せるApple Vision Pro、普及水準は遠いが意味ある一歩

Apple Vision Pro

現時点では完璧でなくとも、「スタート地点」としては十分なものといえる。年内にはクアルコム、サムスン、グーグルが共同で空間コンピュータが登場する見込みだが、Apple Vision Proのモチーフは無視できないだろう。
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ソフトウェアの成熟度、完成度はまだ十分に高くない。しかしコンセプトやユーザーインターフェースとしての実装、フィーリングなどは水準以上に感じる。さらに開発が成熟するにつれて、どんどん自然なものになっていくはずだ。

「最善の対処」も及ばない長時間装着への課題

他方で現時点でのApple Vision Proは、使い方の工夫やソフトウェア開発では解決できない問題が積み残されている。

Apple Vision Proには、柔らかな幅広のニット素材を使ったストラップと、頭頂部と後頭部にストラップを通すダブルループ型のストラップの2つが同梱されている。いずれも一長一短だが、同種のディスプレイの中ではベストな品質と使用感のものだ。

アルミと曲面ガラスを使った本体の質感や仕上がりも、まるで工芸品のように丁寧かつ高精度に作り上げられている。
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28種類ものサイズ、形状が用意されているライトシール(遮光用の部品)や4種類のパッドは、多様な顔面の形状や大きさに対応するためのものだ。アップルはこのパーツを選ぶためだけに、iPhoneのセンサーを活用したサイズ計測機能をストアアプリに追加している。

ZEISSと共同開発した視度補正のレンズインサートも含め、量産品としてできる限り、考えられる限り、最善の対処をしていることは間違いない。しかし、それでもなお長時間の装用には我慢が必要になる。

最新のノート型コンピュータに匹敵するパワフルさ、高機能、高品質な表示などはApple Vision Proのすばらしいところだ。

しかし長時間の装用に耐えられるほど、現在のApple Vision Proは軽量ではない。バッテリーを外付けにしているのは、装用時の負担を減らすことが目的だろうが、それでもライトシールが顔面に当たる圧迫感は時間が経過するほどに気になってくる。

当初は4〜5時間使い続けていても気にならなかったが、午前と午後、夜、それに翌日もと繰り返し使っていると、同じ場所が圧迫されるため不快感が強くなった。どれほどフィット感を改善しても、繰り返しの長時間装用に対する不快感を軽減するには、さらなる軽量化を施す他ない。
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編集=安井克至

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