USCのイニシアチブのAnnenberg Inclusion Initiativeは、ビルボードが毎年年末にイヤー・エンド・チャートとして発表する、その年を代表する100曲のクレジットを分析した。その結果、2023年のビルボードのHot 100の年間チャートに女性ソロアーティストが占めた割合は40.6%で、2022年の34.8%から増加した。
女性は、作詞作曲の分野でも地位を向上させており、その背景には、有色人種の女性が作詞や作曲を手がけた楽曲が急増したことが挙げられる。2023年の年間チャートで作詞・作曲のクレジットを獲得した有色人種の女性は55人で、前年の33人や、同イニシアチブが集計を開始した2012年の14人から大幅に増加した。
また、2023年のヒット曲のうちの56%に、少なくとも1人の女性ソングライターが含まれていたが、これは過去12年間で最も高い割合という。さらに、2023年の年間チャートに含まれた有色人種のアーティストの割合も、2022年の50.6%から上昇して61%に達し、過去最高を記録した。
一方、今年のグラミー賞では、主要6部門のノミネートの24%が女性で、2023年の15.5%から上昇した。しかし、年間最優秀プロデューサー賞には5年連続で女性がノミネートされておらず、年間最優秀ソングライター賞にノミネートされた女性も1名のみだった。
USCの研究者のステイシー・L・スミスは声明の中で「音楽業界では女性プロデューサーやソングライターに対する評価が依然としてあまりにも低く、有色人種の女性がノミネートされることも極めて少ない」と述べている。「グラミー賞が、そこに参加する人々の人種やジェンダーを正しく反映するためには、これらの賞に女性や特に有色人種の女性のための場所が必要だ」と彼女は付け加えた。
昨年、調査企業Luminate、Tunecore、Believeが1650人の業界関係者を対象に実施した調査によると、全体の60%が「音楽業界において男女差別が大きな問題になっている」と回答したとビルボードは報じている。
女性アーティストの平均収入は、男性アーティストよりも大幅に少ないと米労働省のレポートでも指摘されており、男性アーティストの平均収入が約6万ドルであるのに対し、女性アーティストの収入は4万5156ドルとされていた。USCのレポートによると、2012年から2023年までにビルボードのHot 100にランクインした2299組のアーティストのうちの3分の2が男性だった。
また、裏方の仕事に占める女性の割合も、男性の約30分の1とされており、有色人種の女性はさらに少ないとされている。USCのイニシアチブが分析した1972人の製作関係者のうちの有色人種の女性の数は19人のみだった。
(forbes.com 原文)