同社は、AIのトレーニングを政府や非営利団体、企業との連携を通じて提供し、インドの将来の労働力のAIの利用を促進する計画という。この取り組みは、デリーやムンバイのような大都市ではなく、より人口が少ないティア2およびティア3の新興都市や地方都市での人材育成に重点を置くものになるとマイクロソフトは述べている。
この計画には、国や州政府との提携で50万人の学生や求職者にAI技術のトレーニングを提供することや、10万人の若い女性に「詳細なAIスキル」を提供すること、過疎地の学校の40万人の生徒らに「責任あるAIの利用」を教え、AIを活用したキャリアについての意識を高めることが盛り込まれている。
インド出身で10年前にマイクロソフトのトップに就任したナデラCEOは、インドが「AIの約束を現実のものとするためのユニークな立場にある」と述べ、同社がインドのAIのスキルギャップを解消し、新たな機会の創出を支援していくと語った。
ナデラCEOはムンバイのテック業界のリーダーたちに対し「AIはまさに巨大な機会があり、GDPを押し上げることになる」と語り、各国はこの変革期にあるテクノロジーに多額の投資を行うべきだと主張した。彼は、AIへの投資が引き起こす社会的・経済的な変化を、産業革命時代の英国がGDPの10%を鉄道に投入することで達成した変化になぞらえた。
ナデラのこの発表は、先月マイクロソフトがインドで10万人の開発者にAIツールとテクノロジーのトレーニングを行うと宣言したことを踏まえてのものだ。同社は、「ADVANTA(I)GE INDIA」と呼ばれる計画を通じて、インドの労働者や政府関係者らのAIへの適応能力を向上させ、AI開発を支援していくと述べている。
各国の企業や研究者は何十年も前からAIの研究に取り組んできたが、OpenAIのChatGPTの成功によって、AIブームが勃発し巨額の資金が流れ込んでいる。OpenAIに数十億ドルを投資したマイクロソフトは、自らをこの分野のフロントランナーに位置づけ、自社の製品ラインへのAIを統合を進めている。
(forbes.com 原文)