ブトゥソウは、不意を突かれた第110旅団の部隊が至急対応した様子を伝えている。伝えられる証言によれば、年配の整備員を含めて全員が武器を手に取り、この陣地に向かうように命じられた。彼らは出ていき「ほとんどが戦闘で死亡した」という。
ブトゥソウはドローンの映像で、ロシア軍の突撃グループが家屋を攻撃するところも見たという。「私たちの兵士2人は最後まで戦った。家屋は燃え上がり、誰も投降しなかった」
ロシア軍部隊がアウジーイウカ北部に新たに築いた陣地に張り付くことができれば、ロシア側は西から市内に伸びる守備隊の補給線を脅かすことができる。ツァプリエンコは、4日時点で、ロシア軍部隊のいる場所は主要道路から数百メートルしか離れていないと指摘している。ロシア兵が携行している武器でトラックを十分攻撃できる距離だ。
アウジーイウカは陥落するかもしれない。9カ月前のドネツク州バフムートに続いて、ロシアがウクライナで占領した新たな都市になるかもしれない。そうなった場合、責任の大半はウクライナから弾薬を奪った共和党議員たちにある。
彼らは自分たちの頑なな態度によって、ウクライナの兵士らが味方の火力支援を得られず、冷たい塹壕の中で死ぬことになるのは知らなかったと弁解することはできない。共和党がウクライナへの支援を妨害し出してから約6週間後の昨年12月時点で、アウジーイウカ方面のウクライナ軍部隊は弾薬庫が払底していることを訴えていたからだ。
同月17日、ロシア軍の縦隊は霧に紛れてアウジーイウカを南側から攻撃した。ウクライナ軍のドローン操縦士たちはのちにこの部隊を発見したが、味方には攻撃する手段がなかった。「私たちにはただたんに弾薬がない」と操縦士の1人はこぼしている。
この縦隊は結局、地雷を踏んで引き返した。ウクライナ軍のドローン操縦士たちは、ロシア兵がウクライナ側の攻撃を受けず自陣に歩いて戻るのをみすみす許した。「ロシア兵が罰を受けずに歩き去るのを見るのは虫酸が走る」と同じ操縦士は吐き捨てている。
これらのロシア兵たちは生き延び、その後再度、いや何度もアウジーイウカを攻撃できたのだろう。そして、天候とウクライナ軍の火力の低下のおかげで、ついに市内への侵入を果たした。
(forbes.com 原文)