欧州

2024.02.08 11:00

ロシアの凶悪ドローン生産、ウクライナの攻撃で停滞した可能性

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ランセットは、エンジンや電子機器を含め、輸入部品が多く使用されていることで悪名高い。ザラが自社製だと明言しているのは機体、電力供給装置、カメラだけだ。ZOMZの爆発はカメラの供給を遮断したのかもしれない。
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ランセットの生産が縮小されたという間接的な確証は、ロシアのアレクセイ・クリボルチコ国防次官からも得られた。クリボルチコは、2023年のロシアのドローン生産は合計3500機に達したと明らかにした。

米海軍分析センター(CNA)の顧問でロシアのドローン生産の専門家であるサミュエル・ベンデットは、この合計にはランセットや軍用の大型マルチコプターだけでなく、オルランやザラの偵察ドローンも含まれている可能性が高いと指摘する。生産の3分の2が、他の高価なタイプではなく比較的安価なランセットだとすると、ランセットは約2300機となる。これは2023年に投稿されたランセット攻撃の動画の数779本とも合致する。

ドローン戦

ランセットの生産は再び増加しており、1月の動画数は139本と、以前より増加している。だが、昨年8月以降の低迷は、ザラの新工場が特定の部品なしではドローンを生産できないことを示唆している。生産を阻止するのにドローンによる攻撃は必要ないかもしれない。制裁を科し、実行することで、ロシアが国際市場で必要な電子機器を入手できなくなる可能性がある。

ロシアはなんとしてでもドローンを増産しようとしている。特に推進式ドローンである「シャヘド」に関しては、イランから輸入するのではなく今や国内で生産しており、月に数百機ではなく数千機の生産を目指している。
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ウクライナは、ロシア製シャヘドの増加に対抗するために防空を強化し、同盟国にさらなる支援を求めている。

おそらく最良の解決策は、ロシアのドローン生産を阻止することで、ドローン問題が発生しないようにすることだろう。ウクライナは長距離飛行が可能なドローンを使った攻撃を数多く実行する能力を持っており、ロシアの石油・ガス施設の攻撃に成功している。ロシアのドローン生産施設も標的のリストに加えるべきかもしれない。Molfarはその多くがショッピングモール跡地にあると指摘している。2024年になり、互いにドローンを使った戦争は戦略的な問題になりつつある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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