スカイプの共同創業者だったアーティ・ヘインラとヤヌス・フリスが2014年にエストニアで設立したスターシップ社は、サンフランシスコに本社を置き、食品や日用雑貨などのデリバリーを行う小型の自律型ロボットを製造している。同社はPlural(プルーラル)とIconical(アイコニカル)が主導した今回の調達ラウンドで得た資金を、米国や英国、欧州の国々での事業拡大に注ごうとしている。
同社のロボットは現在、米国、英国、ドイツ、デンマーク、エストニア、フィンランドを含む国の80カ所で使用されており、過去10年間で600万件以上のデリバリーを行ったという。
スターシップ社は、二酸化炭素(CO2)の排出量が多くてコストもかかるオンデマンド配送やラストワンマイル配送の問題に対処しようとしており、同社のロボットが従来の配送チャネルよりも少ないエネルギーで運営可能であることをアピールしている。
スターシップ社のヘインラCEOは、同社のロボットはここ10年間で徐々に進化し、現在では事業拡大が可能なところまで到達したと述べている。
同社は、自律型のデリバリーロボットを機能させるためのコア技術である人工知能(AI)や、ロボットを路上でより長く稼働させるためのワイヤレス充電インフラへの投資をさらに強化する準備を進めているという。スターシップ社は、ワシントンDC近郊のジョージ・メイソン大学と共同でワイヤレス充電インフラを開発中だ。
同社のDaaS(Delivery as a Service:サービスとしてのデリバリー)は、エストニアに本拠を置くモビリティ企業Boltや、米国のフードデリバリー企業GrubHubといったパートナー企業の事業で使用されている。
フィンテック大手Wise(ワイズ)の共同創業者で、現在はベンチャーキャピタルPluralのパートナーであるターベット・ヒンリクスは、スターシップ社が「世界で最も先進的な自律型物流技術」を構築し、ラストワンマイルの配送におけるCO2の削減に貢献していると述べた。
同社の他の投資家には、北欧を拠点に欧州の気候テック関連のスタートアップに投資を行うNordic Ninja(ノルディック・ニンジャ)や、日本のTDKベンチャーズ、タイヤメーカーのグッドイヤーなどが含まれており、これまでに累計2億3000万ドル(約340億円)を調達している。
(forbes.com 原文)