AI

2024.02.06 09:00

評価額1兆円の米「スケールAI」がTikTokとの提携を断念した舞台裏

アレクサンダー・ワン(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

スケールAIがこの契約を勝ち取った背景には、国防総省が、Project Mavenと呼ばれるAIイニシアチブで、新たなデータラベリングの発注先を探していたことが挙げられる。プロジェクト・メイブンを巡っては、2018年にグーグルの従業員が無人機の攻撃映像の分析にその技術が使われているとして抗議活動を展開し、グーグルはその後、このプロジェクトから撤退していた。この件に詳しい複数の関係者によると、国防総省はスケールAIにこの契約の入札に参加するよう依頼していたという。
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政府は「彼らにその契約を持ちかけ、彼らが競争力を持てるよう手を握っていた」と、この件に詳しい人物は語った。

スケールAIは、Project Mavenの契約を公にすることはなかったが、この契約とは別に同社は、2022年1月に、国防総省に「エンド・ツー・エンドAIソリューション」を提供する2億4900万ドルの契約を獲得したと発表した。しかし、この発表は誤解を招きかねないものだった。同社は、他の70社が同じ資金を得る資格があることに触れていなかったのだ。政府調達の記録と2人の関係者によると、スケールAIは現時点でこの契約に対する支払いを受け取っていない。

3人の情報筋によると、スケールAIの防衛ビジネスの収益の大半は、現在も最初の契約であるProject Mavenに依存している。この契約は間もなく期限切れとなり、同社は再びこの契約を獲得するための競争に直面する。ブレナンはフォーブスの取材に、連邦政府からの事業収入が2021年以降に160%増加したと述べたが、契約の詳細についてはコメントを避けた。
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米国の国家安全保障上の利益に貢献することは、ワンにとって依然として優先事項だ。昨年12月にニューヨークで開催された、チャック・シューマー上院議員が主催したAIフォーラムで、彼は再び中国への旅での経験について語った。「私は、あの旅から帰国した後に、米国を支援するためにできる限りのことをすることを会社のミッションの一部にしなければならないと思ったのです」と、ワンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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