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白武ときお、「面白いもの」を見つけるための4つのルート

白武ときお|放送作家

人の心を動かし、行動を促し、時には人生にも影響を与える「面白い」という感情。人は、「面白い」ものをどのように見つけているのだろうか。2月号の30UNDER30 スピンオフ企画「今、何が面白い?」を監修した放送作家の白武ときおが、企画を踏まえ自身の「面白い」の見つけ方を語る。


あなたが今面白いと思っている、面白がっていること、もの、人を教えてください。ひとつを熱く語ってもいいし、たくさん紹介していただいてもかまいません。具体的な何かでなくても概念的なこと、形のないものでもかまいません」

今回の30 UNDER 30スピンオフ企画に出てもらった人たちに、上記のようなアンケートをお渡しして取材させてもらった。

情報やコンテンツがあふれていて、どこでどれが、どんな盛り上がりを見せているのかわからない、追いきれない昨今。今年発表された作品も大昔の作品も、同列に並んでいる。多種多様な価値観があり、日々アップデートを急かされ、隣の人がスマホで何を見ているのかわからない。たこつぼ化している。

そんなことを日々思っているので、ライフワークとして人に会うと「今何かハマっているものはある?」と聞くようにしている。その人が何を面白がっているのか、どういうことを人は面白いと思うのかが、とても気になる。

僕は人の家に行くと本棚を見るのが好きだ。ついつい見てしまう。いちばんうれしいのは、半分くらい自分の本棚と同じような本が並んでいて、もう半分が違うとき。同じようなセンスをもっている人が揃えている本だから、好きになれる可能性が高い。まだ出会ってない面白い本に出会える気がする。そんな出会いを求めて、本特集を企画した。

「面白い」の見つけ方

本や映画など、どの作品を手に取るか。自分のなかで選択に至るまでのルートが4つある。1つは「時の洗礼ルート」。これは、村上春樹の長編小説『ノルウェイの森』(講談社)に出てくる先輩、永沢さんのセリフ「俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄に費やしたくないんだ。人生は短い」に影響を受けたルート。時の洗礼を受けても残っている、語り継ぐべき、読む価値のあると判断されたものを読んでいく方法だ。

2つ目は「ヒット作ルート」。自分が興味のない分野でも、自分のところに情報が届くくらいヒットしている作品なら見てみようと思う。基本的にはゲームやアニメには興味がないが、ヒット作は触れるようにしている。

3つ目は「趣味嗜好ルート」。僕は「どんでん返しがある映画」「ミステリー小説」「お笑い好きを唸らせるお笑い」が好きだ。そういった自分が好きなジャンルを掘り尽くす。インターネットではリコメンド機能が発達して、Netfixでは視聴履歴に応じてマッチ度を教えてくれるし、Amazonも購入履歴に似た本を提示してくれるから便利だ。
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文=白武ときお

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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