暗号資産

2024.02.05

米政府、ビットコイン採掘の電力消費量の「緊急調査」開始

バイデン大統領(Shutterstock.com)

バイデン政権は先日、ビットコインの価格の上昇で暗号資産のマイニング(採掘)が急増するとの懸念から、マイニングを行う企業がどれだけの電力を消費しているかについての緊急調査の開始を承認した。これを受け、米エネルギー省(DOE)の統計機関であるエネルギー情報局(EIA)は、2月5日からデータの収集を開始する。

ビットコインのマイニング企業は、電力使用に関する詳細を回答することを求められる。

EIAのジョー・デカロリス長官はこの調査について「マイニングのためのエネルギー需要がどのように進化しているか、成長地域を特定し、特にマイニング需要を満たすために使用されている電力源を定量化することに焦点を当てる」と述べている。

ビットコインのマイニングは、莫大な電力を消費することが批判されており、その使用量はいくつかの小国に匹敵するとされている。EIAは、マイニングの増加と電力システムにかかる負荷が「公共的な危害」につながる可能性を指摘した。

EIAのマイニング企業に対する調査は、合衆国行政管理予算局(OMB)によって、緊急データ収集要請として1月26日に承認された。「この緊急収集は実験的かつ暫定的なものだが、EIAはこのプロセスを標準化することを望んでいる」とOMBは述べている。

暗号資産業界の関係者は、この緊急調査が、以前から恐れられていたマイニング業界に対する政府の広範な締め付けの始まりではないかと懸念している。フロリダ州のロン・デサンティス知事は昨年、バイデン政権が「ビットコインを狙っている」と警告し「ビットコインを完全に殺すことになりかねない」と指摘していた。

テキサス・ブロックチェーン協議会は3日のX(旧ツイッター)の投稿で「EIAがマイニング企業にエネルギー使用量の開示を義務付けるという最新の動きは、デジタル資産セクターを直接ターゲットにしたものだ」と述べている。

コロラド州を拠点とするビットコイン採掘業者のRiot Platformsの調査責任者のピエール・ロシャールは「バイデン政権が、緊急事態を宣言したのは、ビットコインが勝利しているからだ」とXに投稿した。彼はまた、米国が3兆ドルの財政赤字と34兆ドルの公的債務残高を抱えていることを指摘し「緊急事態を宣言すべきは、債務超過に陥った国の銀行システムのほうだろう」と政府の対応を揶揄した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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