政治

2024.02.05 12:30

米国防総省、右派が主張の「テイラー・スウィフト陰謀論」を否定

テイラー・スウィフト(Photo by Gilbert Flores/Billboard via Getty Images)

テイラー・スウィフト(Photo by Gilbert Flores/Billboard via Getty Images)

米国防総省(ペンタゴン)の広報担当者は2月2日、米国政府がテイラー・スウィフトやタイム誌、NFL、民主党などと連携し、11月の大統領選挙で、バイデン大統領を勝利に導くために工作活動を行っていると主張する右派の陰謀論者たちに反撃した。

ペンタゴンのサブリナ・シン副報道官は2日にフォーブスに対し「テイラー・スウィフトが我々の心理作戦の一部だという主張は、事実ではありません」と明言した。

スウィフトが当局による心理作戦に加担しているという噂は、12月にタイム誌が彼女を「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選んで以来広まっている。先日は、彼女のNFTのカンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシーとの交際が、バイデン大統領の選挙キャンペーンを支援するための民主党の策略の一部であるという根拠のない噂が浮上した。

チーフスは、2月11日のスーパーボウルでサンフランシスコ・49ersと対戦するが、ポッドキャスターのマイク・クリスピは、NFLがチーフスのカンファレンス優勝を「民主党のプロパガンダ」を広めるために「不正操作」したと主張し、スウィフトが今年のハーフタイムショーで、ケルシーとともにフィールドに現れ、バイデン支持を訴えるだろうと予想した。「この動きはすべて、最初から仕組まれたものだったのだ」と、彼は29日にX(旧ツイッター)に投稿した。

一方、共和党の候補指名争いから撤退したビベック・ラマスワミは「来月のスーパーボウルは誰が優勝するんだろう。誰かが意図的に後押ししたカップルから、この秋の大統領候補の推薦があるのかもしれない」とXに投稿した。

スウィフトが政治的議論に加わることは稀だが、彼女は時折、自身の意見を表明している。スウィフトは、2018年の中間選挙を前に米上下院選に出馬する2人の民主党候補を支持する発言を行ったほか、2020年の大統領選の直前にバイデン大統領を支持していた。さらに、昨年9月に彼女は、インスタグラムの投稿で当時2億3200万人のフォロワーたちに、選挙のための有権者登録を行うように呼びかけ、Vote.orgのリンクをシェアした。その結果、3万5000人以上の新規登録があったとニュースサイトAXIOSは報じていた

共和党はスウィフトを警戒

スウィフトはこれまで今年の大統領選から距離を置いているが、バイデン大統領は彼女からの支持を狙っていると報じられている。29日のニューヨーク・タイムズ(NYT)は、バイデン陣営が彼女の人気を利用して若い有権者の投票率を上げたいと考えていると報じていた。民主党のカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムも、スウィフトの政治的影響力が「非常に強力だ」と評していた。

ローリング・ストーン誌は30日の記事で、スウィフトが秋の大統領選で再びバイデン大統領を支持する可能性が、共和党の戦略家たちを震え上がらせていると報じた。匿名の関係者が同誌に語ったところによると、トランプは、自分がスウィフトよりも人気があり「忠実な支持者がいる」と内々に主張しているという。しかし、共和党の有力者たちは、もしも彼女がバイデン陣営とこれ以上緊密な関係を結んだら「聖戦」を仕かけることを検討しているという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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