プラズマ乳酸菌とは、免疫の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に直接働きかけ、活性化されたpDCの指示・命令によって免疫細胞全体が活性化されて外敵に対する防御システムが機能するメカニズムで「健康な人の免疫の維持をサポートする乳酸菌」だ。
2010年に同社が世界で初めて発見し、2020年に「iMUSE」ブランドが日本で初めて「免疫機能に関する機能性表示食品」として届出受理されて以降、順調に商品・販売を拡大させてきた。
昨年も、このプラズマ乳酸菌を配合した、「キリン おいしい免疫ケア」など飲料カテゴリーの年間販売数量が前年比約4割増、「iMUSE」ブランドのサプリメントの年間販売金額も前年比約5割増と大きく伸長。
また、自社グループ商品のみならず、アイム、日本コカ・コーラ、マツキヨココカラ&カンパニー、日本ケロッグ、ノエビア、花王といったパートナー企業から、計12もの商品が発売されたという。
「免疫ケア」市場拡大をリード
好調の要因について、キリンホールディングスは、「体の内側から健康になりたい」「自分の健康は自分で守りたい」といった健康意識の高まり*1やプラズマ乳酸菌の価値向上、そして「免疫ケア市場の拡大」を挙げている。健康の土台に関わる機能・効能へのニーズが拡大し、機能性表示食品における訴求効能別の2023年の販売金額伸長率は、2020年と比較して「免疫対策」が1063%、「ストレス緩和・睡眠サポート」が287%、「整腸効果」が167%と予測されている*2。また、プラズマ乳酸菌配合商品以外の「免疫領域の機能性表示食品」も、他社から複数発売されるようになり、市場は更なる広がりをみせている。
*1 キリンビバレッジ株式会社調べ、意識の高まり調査|対象:全国20-69歳男女、n=10000、期間:2023年4月15日~4月16日
*2 富士経済「H・Bフーズマーケティング便覧2023 No.3・機能性表示別市場分析編」機能性表示食品
キリンホールディングスは、2019年に策定した長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」で、成熟市場にあるビール事業をはじめとした「食領域(酒類・飲料)」と、祖業のビール事業から培ってきた発酵‧バイオテクノロジーを発展させた「医領域(医薬品)」の中間領域に、次世代の成長の柱として「ヘルスサイエンス事業」を立ち上げ、自社商品販売で得られる知見を活用しながら、素材販売にとどまらないBtoBビジネスを展開する「BtoB/BtoC連動モデル」をもって、プラズマ乳酸菌を核とした免疫ケア市場の形成に取り組んできた。
看板ブランドの一つとして昨年3月に発売した「キリン おいしい免疫ケア」は、機能への信頼とおいしさが伝わる商品としてラインアップを拡充したことなどにより、商品認知が継続して向上し*3、シリーズ年間販売数量も、同容器で発売していた「キリン iMUSE 朝の免疫ケア」と比較して約3.4倍に成長。
プラズマ乳酸菌配合商品のラインアップも、冒頭で述べたようなパートナー企業とのコラボレーションを含め、飲料、サプリメント、ヨーグルト、青汁、飴、シリアル、ゼリーなど様々なカテゴリーで59商品にまで増え*4、「免疫ケア」の名称認知率も過去最大スコアとなったという*5。
前述の「BtoB/BtoC連動モデル」が機能した成果と言えるだろう。
*3 キリンビバレッジ株式会社調べ、2023年4月・7月・10月定量調査|全国20~69歳男女、n=10000
*4 2023年12月末時点
*5 キリンホールディングス調べ |2023年12月