爆薬を積み、衛星に誘導された水上ドローン数隻はイワノベツに突っ込み、満載排水量約490tのこのタランタル級コルベットを爆発させる。イワノベツは、クリミアの西岸ほど近くで沈没した。
1980年代に建造されたこの艦に乗っていたロシアの海軍軍人50人かそこらは、全員死亡した可能性がある。いずれにせよ、ロシア黒海艦隊は艦艇をまた1隻失った。
ウクライナは最近、ロシア国内の石油インフラを長距離のドローン(無人機)でたびたび攻撃しているほか、2週間にはロシア空軍の貴重なA-50早期警戒管制機もミサイルで撃墜している。
「(ウクライナ軍は)クレムリンを出し抜いている。ロシアはエネルギーインフラも、クリミアに駐機する航空機も、船舶も守れていないようだ」と米国の駐欧州陸軍司令官を務めたベン・ホッジス退役中将は舌を巻く。
イワノベツを撃沈されたロシア海軍は、ウクライナ海軍との戦いでまた一つ敗北を重ねた。相手のウクライナ海軍は、ロシアが2022年2月にウクライナに対する戦争を拡大する前の時点で、すでに大型艦を1隻しか保有していなかった。
ウクライナ海軍はロシアが全面侵攻を始めた直後に、この唯一の大型艦、フリゲート「ヘーチマン・サハイダーチヌイ」も自沈させた。その結果、ウクライナ海軍は新しいタイプの海軍になった。空軍や陸軍の大きな支援を受けながら、ドローンとミサイルで戦う海軍である。
⚡️🇺🇦Ukrainian naval kamikaze drone destroyed/damaged 🇷🇺Russian missile boat "Ivanovets". pic.twitter.com/Mh2PZgKTB7
— 🇺🇦Ukrainian Front (@front_ukrainian) February 1, 2024
この破壊的な対艦作戦の転換点になったのが、昨年12月の水上ドローンによる哨戒艇「タラントゥル」への攻撃である。タラントゥルは、ウクライナ軍の水上ドローンの餌食になった最初のロシア軍艦だった。イワノベツは2隻目だ。