このラウンドには、シンガポールを拠点とするディープテックに特化したベンチャーキャピタルのElev8と、シンガポール企業庁の投資部門であるSEEDSキャピタルも参加した。創業6年のメッシュ・バイオは、2021年のシードラウンドで180万ドルを調達していた。同社は、評価額を公表していない。
「マイクロプロセッサの登場とウェアラブルセンサーの進歩により、私たちは膨大な量の医療データを収集しているが、それらは各プラットフォームのサイロの中に閉じ込められている。メッシュ・バイオは、医療データをより良く結びつけることが可能なプラットフォームを目指している」とイースト・ベンチャーズの共同創業者のウィルソン・クアカは述べている。
メッシュ・バイオは新たな資金を、医療データに基づいて患者の健康状態の仮想モデル(ツイン)を作り出すデジタルツイン技術の開発に投入しようとしている。同社は、シンガポールの医療プロバイダーにこの技術を提供し、香港やインドネシア、フィリピンに事業を拡大する計画だ。
2018年に設立されたメッシュ・バイオは、慢性疾患の治療をパーソナライズするために、血液検査記録や心拍数、身長、体重、その他の指標にまたがる多次元の患者データに予測分析を適用している。同社が開発したソフトウェアは、糖尿病などの慢性疾患の治療にあたる医師の診断や治療を支援することを目的としている。
メッシュ・バイオの共同創業者でCEOのアンドリュー・ウーは「当社は、デジタルツインソフトウェアと医療デバイスを組み合わせ、患者の初期の診断から慢性疾患の管理までを一貫して管理可能なプラットフォームを開発した」と述べている。彼は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで生化学工学の博士号を取得している。
同社は昨年10月、HealthVector Diabetesと呼ばれるデバイスを医療機器として販売するためのライセンスをシンガポールの保健科学庁から取得した。同社によると、このデバイスはすでに現地の複数の病院やクリニックで試験的に使用されているという。