危険は現に存在した。A-50は撃墜された。F-16はといえばまだ到着すらしていない。それでいて、ロシア軍は組織の再編を余儀なくされている。A-50を撃破したミサイルの待ち伏せ攻撃は「おそらく、ロシア側に(早期警戒管制機の)の活動範囲をより東に押しやる効果をもたらすだろう」とミッチェルは書いている。
これは推測にとどまらない。ロシア空軍は現在、A-50を前線から440kmほど離れたロシア南部クラスノダールの上空で飛ばしている証拠がある。
これほど離れていると、A-50がF-16のような小さな目標を探知するのは、目標が前線からかなり進入してこない限り難しいかもしれない。「その結果、ウクライナ軍機は、任務の遂行や探知・迎撃される前の離脱のために確保できる探知時間や余裕が増える」とミッチェルは解説する。
こうしたゆとりは「見られることが即、死となりやすい現代の戦場において、決定的に重要な利点になる」とも指摘している。
確認するのは難しいものの、ロシア軍はウクライナ軍のF-16に罠を仕かけるために、A-50を前線に近づけた可能性がある。だが、
罠にはまったのはA-50のほうだった。
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forbes.com 原文)