これはすごいことだ。店長はまるで自分が店舗を所有しているかのように感じつつ、そうであるかのように行動し、最終的には店舗を運営することができる。それにより、さらに効果的な経営ができるに違いない。スーパーの事業は通常、数百万ドル(数億円)規模で、数百人の従業員を必要とする。「私が店長だったころとは比べものにならないほど複雑な仕事だ」と最高経営責任者(CEO)のジョン・ファーナーはいう。「店長に自分の役割を自覚し、オーナーのように行動するよう求めている。そして今、文字どおり、店長らはオーナーになる」
ウォルマートは、自社店舗の店長の約75%が時間給労働からスタートしたと推定しており、これは初期の店長の多くが大学に進学していなかったことを示唆している。
だが、そうした状況は変わった。社内で店長候補の人材が減ったため、同社は最近ではその職務に充てる人材として大卒者に目を向けている。この新たな取り組みの一例として、同社は大学を最近卒業した人や12カ月以内に卒業見込みの学生を対象に、地域の店舗で経営陣の一員として研修を受けるプログラムを開始した。
ウォルマートはまた、従業員の平均時給を18ドル(約2600円)に引き上げると発表した。従業員の士気はこれまでで最も高くなっているに違いない。
店長の給与を過去最高に引き上げることは、会社の全幹部にプラスの波及効果をもたらす。すべての従業員はいま、店舗の良い業績への具体的な貢献がこれまでよりも高い給与と経営陣からの高い評価というかたちで報われると感じている。その結果、チェーン全体で店舗の生産性が向上するはずだ。また、従業員が昇進や昇給を目指すことで、より多くの従業員が社に留まることにもつながるだろう。
これらすべてが、ファーナーのリーダーシップのもと、ウォルマートで働くことをよりやりがいのあるものにし、楽しいものにすらするはずだ。ウォルマートは現在も店舗を増やしており、一部の店長にはさらに大きな恩恵をもたらすだろう。加えて、売上が数百万ドルの店舗がすでにあり、強力な管理者と厳しい監督が必要とされている。
(forbes.com 原文)