2. 「ポジティブな活動」をスケジュールする
幸せは、時に人の目をくらませる。しかし、喜びに満ちた生活を続けるには、周りが目に入らないほどのポジティブさが必要になることもある。特別幸せに感じている時こそ「活動スケジュール法」を実践するとよいかもしれない。
「活動スケジュール法」は、本来(認知行動療法を通じて)うつ状態を改善するためのメソッドだが、うつ状態ではない人でも幸福感を最大化するのに利用できる。
たとえば、仕事に関連してすばらしい知らせを受け取り、波のように押し寄せる幸福感に浸っているとしよう。このポジティブなエネルギーを活用して、今の喜びをさらに増幅する行動予定を組むのだ。
1. まずは週末に、友達とのハイキングを計画する。自然の中にいると、いつも気分が高揚するのを知っているからだ。
2. 次に、お気に入りのヨガのレッスンを受ける時間を確保する。こちらは、リラックスしながら活力を得られると実感している活動だ。
3. さらに、ある日の夕方の予定を空けて、忙しくて後回しにしていた趣味の絵画制作に取り組むことにした。創作活動に打ち込むと、今感じている幸福感がさらに増すだけでなく、充実感も得られるからだ。
4. 新たに達成感を得てウェルビーイングが向上したことで自信がつき、今週のうちに意中の相手をデートに誘おうと決心する。
5. 仕事でも、新たに達成可能な目標を自らに課すことにした。これでモチベーションを保ち、今後の自分の成長に期待できる。
この方法なら、1回きりの良い気分を味わうだけでなく、それを複数のすばらしい体験へと雪だるま式に膨らませられる。それぞれの体験が独自の強い力であなたを後押しし、ウェルビーイングを向上させてくれるはずだ。
自らの「幸福の地平線を広げる」取り組みとは、幸福感が移ろいやすいものであることを認めた上で、できるだけ長く幸せを感じるために前もってさまざまな手を打っておくことだ。
自分たちの成功や失敗を、適切な相手と共有することが大切だ。こうした人たちがいれば、たとえ幸せがはかなくとも、やがて取り戻せると確信させてくれる。このようなレジリエンス(回復力)を高めることで、幸せは永遠に続かないと見越して、あらかじめ戦略的に計画を立てられるようになる。
心理学の知見に根ざしたこれらの戦略は、つかの間の幸福を味わうだけでなく、人生を長期的に豊かで深い満足感を得られるものにしていく上で、実際に役立つアプローチを提供している。
(forbes.com 原文)