健康

2024.02.06

口臭が原因で取引がなくなることも

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「口が臭いよ」と指摘できる相手はごく限られる。取引先のエライ人の口がめちゃくちゃ臭かったら、必死にこらえる? 適当な理由をつけて早々に逃げる? 笑い話では済まされない。口臭が仕事に与える影響は、きわめて大きいことが調査によってわかった。

歯科衛生教育、口臭口関連セミナーなどを提供するDental Defenseが、全国の20歳から69歳の男女約1000人を対象に行った口臭に関するアンケートによれば、自分の会社の人の口臭が気になったことがある人が約半数、取引先の人の口臭が気になった経験がある人も2割弱いた。気になった場所は、その人のデスクの周辺、エレベーター、会議室など、逃げ場がない状況が目立つ。

また口臭が気になった場面では、商談中が突出して多い。相手と1対1で顔を付き合わせて話し合おうというときに口臭が気になっては辛い。事実、そんな場面でも最後まで我慢したという人がほとんどだが、商談を早めに切り上げた人が約4割、先方の担当者を代えてもらった、自分を担当から外してもらったという人も少なくない。なかには少数ながら取引を中止したという人もいる(複数回答)。

中止した取引の規模は100万円から500万円が中心だが、1000万円以上5000万円未満、5000万円以上がそれぞれ3割近く(各6人)もいた。5000万円以上が6件で最低でも3億円、1000万円から5000万円未満も6件で最低でも6000万円。合計でざっと3億6000万円。もっと少額の取引を加えれば、4億円を超えるのは確実だ。それだけの取引が、口の臭いのために消えたことになる。
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文 = 金井哲夫

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