欧州

2024.02.02 10:00

下水道からロシア兵が出現、ウクライナはドローンですかさず叩く 東部激戦地

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昨年10月、ウクライナ東部ドネツク州アウジーイウカ市の攻略に取りかかったロシア軍は、まずウクライナ軍の守備隊を直接攻撃しようとした。翌11月、それに失敗すると、今後は市を迂回して南北から遮断することを試みた。

今月、それにも失敗すると、ロシア軍は再びアウジーイウカに対する直接攻撃に乗り出した。同時に、ウクライナ側の重要な防御拠点をすり抜けて遮断するために、南側から市に侵入することも図った。「ゼニト」と呼ばれるこの拠点は、冷戦時代の掩体壕をウクライナ軍が要塞化したものである。

この侵入もまた失敗に終わった。ロシア軍の少人数の歩兵グループが下水道から汚物まみれの姿で現れたところ、ウクライナ軍のドローン(無人機)によって瞬時に仕留められた。アウジーイウカのツァルスカ・オホタ地区を狙ったこの「下水道作戦」で、ロシア軍は幾度となく繰り返してきた失態を上塗りした。

ロシア軍の第2諸兵科連合軍と第41諸兵科連合軍は当初、およそ4万人の兵力をアウジーイウカ周辺に集結させていたが、昨年12月上旬までに1万3000人にのぼる戦死者・戦傷者を出した。それから約2カ月後、ロシア軍の人的損失はその2倍に膨らんでいる可能性がある。

それに対して、ウクライナ軍の総勢2万人規模の守備隊(北面の第47独立機械化旅団と第116独立機械化旅団、市内の第110独立機械化旅団、これらの旅団を支援する第1戦車旅団などで構成)の人的損失ははるかに少ない。戦車や歩兵戦闘車の損失と兵力の損失が比例するとすれば、ロシア側はウクライナ兵1人を損耗させるごとに兵士13人を損耗していることになる。

しかもロシア側はこれほど大量の血を流しながら、アウジーイウカ周辺でたいして前進できていない。ロシア軍は南側から市に向けてわずかに前進しているほか、市のかなり北を走る道路沿いで西方に向かっている。

先週はロシア軍部隊がゼニトの脇を突き切り、ゼニトとアウジーイウカ市内を結ぶ道路が遮断されかねない事態になったことから、ウクライナウォッチャーの中には一時動揺した人もいた。だが、ロシア軍部隊の進撃はのちに地雷によって勢いをそがれ、いつものように野戦砲、爆発物を搭載したドローン、25mm機関砲が火を吹くM2ブラッドレー歩兵戦闘車の連携した攻撃で撃退されたため、緊張感は和らいだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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