ボランジェといえば、映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドが愛するブランド、または英国王室の御用達というイメージが強いかもしれないが、それ以外にも語りつくせないほどの魅力がある。今回は、ピノ・ノワール、樽醸造、そしてサステイナビリティをキーワードに、今のボランジェを切り取ってみたい。
ピノ・ノワールへの想い
シャンパーニュ・ボランジェは、1829年にアイ村で創業し、今も家族経営を続けているメゾンだ。アイは、シャンパーニュ地方の数ある村の中でも「特級格付け」の17村の一つで、昔から最良のピノ・ノワールが育つ場所として名高い。シャンパーニュ中に広大な自社畑を所有するボランジェだが、アイ村にも多く畑を持っており、ここで育つピノ・ノワールからアイコニックなワインが造られている。![アイ村を拠点とするメゾン](https://images.forbesjapan.com/media/article/68895/images/editor/fe915eee591568bb73b34d02eda66f40f572c511.jpg?w=1200)
マネージング・ディレクターのド・ベレネ氏は、「ボランジェのパッションであるピノ・ノワールは、繊細で育てるのが簡単ではないのですが、最も素晴らしいワインを生み出します」と語る。
アイコニックなシャンパーニュ
ピノ・ノワールを誇りとするボランジェが、このブドウ品種100%で造る3つのシャンパーニュに注目してみたい。まず、「ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ(Vieilles Vignes Françaises、以下「VVF」)。アイ村のメゾンに隣接する、2区画を合わせても0.31ヘクタールほどの小さな畑から造られるワインだ。![ボランジェのシャンパーニュ](https://images.forbesjapan.com/media/article/68895/images/editor/f98a57da39244638ca53f4d418de6bed35bced0d.jpg?w=1200)
ド・ベレネ氏は、「VVFには2つの目的があります。まず、最良のピノ・ノワールの表現を伝えること。そして、伝統的な知見を守ることです」と話す。
この特別なブドウ樹から生み出されるワインは、凝縮した果実で、圧倒的なエネルギーを放ち、力強さとともにエレガンスも兼ね備えている。ごく僅かな生産量だが、味わう幸運を得たならば、忘れられない体験になるだろう。
![ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ(Vieille Vignes Françaises)の畑](https://images.forbesjapan.com/media/article/68895/images/editor/2ec9939456d2a815cff6052ecd240aba1a3787c7.jpg?w=1200)