アジア太平洋地域全体で1087軒のホテルを運営するマリオットは、中華圏以外のアジア太平洋地域で60軒以上のホテルを新規オープンし、その総数は中国で527軒、中国以外のアジア地域で560軒に達している。
同社のアジア太平洋地域担当プレジデントのラジーブ・メノンは、今週の記者発表で「昨年の当社のアジア太平洋地域での成長はステロイドのようだった。私たちは、あらゆる記録を塗り替えた」と語った。彼によると、インドや日本、韓国、東南アジアの旅行需要はすでに、パンデミック前のレベルに回復したが、中国での回復は、航空便数の減少や景気の低迷の影響で遅れているという。
マリオットは昨年、過去最高の80軒以上のホテルの新規オープンに向けた契約を、中国以外の13都市で締結し、合計1万8000室を新たに追加しようとしている。これにより、同社は今後の数年間で320軒、客室数にして6万9000室を中国以外のアジア太平洋地域で追加することになる。
アジアの旅行需要は主に国内観光と域内観光が牽引しており、マリオットは、インドやインドネシア、日本、タイの2級都市を含む新たなデスティネーションでホテルを開設している。同社によると、2023年第3四半期の同地域の平均宿泊料金は前年比で約20%上昇した。メノンは、中国政府が最近シンガポールとタイの2国とビザなし渡航協定を締結する動きを見せていることから、中国本土への行き来が増加し、この勢いが続くと予想している。
「人々の富が増えるにつれて、高級ホテルも2桁の成長を遂げている」とメノンは述べている。マリオットの世界の高級ホテルパイプラインの約25%は、中国を除くアジア太平洋地域にある。同社は昨年、過去最多となる9軒の高級ホテルをこの地域にオープンし、シドニーのWホテルやメルボルンのリッツカールトン、シンガポールのエディション、インド南西部のゴアのJWマリオットなどを立ち上げた。
マリオットは世界139の国と地域で約8800のホテルを運営し、客室数は約160万室に達している。
(forbes.com 原文)