DMAに対するアップルの対応は、iPhoneのソフトウェアを開放して、外部のアプリマーケットプレイスを利用できるようにしながらも、iPhoneをマルウェアなどのセキュリティ問題から守ろうとするものだ。しかし、一部のアプリデベロッパーは激怒している。たとえば音楽配信サービスのSpotifyはこの変更を「恐喝」と呼んでいる。はたして真実はどこにあるのか?
現在の仕組みでは、アプリの料金を受け取ったり、ユーザーがアプリ経由でグッズやサービスを購入した場合、デベロッパーはアップルに手数料を払う。DMAが制定されたのは、2019年にSpotifyなどの会社が、手数料を「税金」と呼び、アップルを反トラスト法で訴えたこともきっかけの1つだ。
アップルが新しいルールを発表した後、Spotifyはこれを「恐喝」と表現した。アップルは声明で次のように応じた。「当社は世界で最も成功している音楽ストリーミングアプリであるSpotifyを含め、あらゆるデベロッパーの成功を喜んで支援します。EUにおけるアプリへの変更は、選択肢を増やすものであり、デベロッパーにはiOSアプリを配布し、決済処理を行うという新しい手段が提供されます。すべてのデベロッパーは現行の条件を維持することを選べます。そして新しい条件の下では、99%以上のデベロッパーにとって、アップルに支払う金額が同じあるいは少なくなります」
背景を少し説明しよう。Spotifyは2016年に、アップルへの手数料の支払いを避けるために、プレミアムサービスの受付を停止した。そして2023年7月、すでにプレミアム契約をしているユーザーを、無料の広告つきサービスに一旦変更し、アプリ外の決済方法を使って再度プレミアムに登録するよう促した。