『パルワールド』レビュー、25年間待ち望んだポケモンゲームがついに実現

『パルワールド』には、欠点も多くある。モンスターにあふれた同作のオープンワールドは、探索するのは楽しいものの、明らかに未完成だ。何もない広大なエリアが各所に存在したり、ダンジョンは単に4種類の部屋を使い回していたりする。ストーリーや個性は、本家『ポケットモンスター』の2%くらいだろうか。

しかし、それは重要ではないかもしれない。『パルワールド』のゲーム内容は現状でもとても楽しいため、不足部分があっても見過ごせる。最もいらだたしいのは、コンテンツの不足ではなく、技術的な部分だ。例えば、拠点のパルが移動中に立ち往生し、そのまま空腹で倒れることがよくある。こうした問題は、早急な修正が必要だ。

『パルワールド』は、モンスターデザインの類似点だけでなく、本家よりも何が優れているのかという点でも、ポケモンと容易に比較できる。ゲームエンジンに「Unreal Engine」を採用しているため、アクションに重点を置いたゲームプレイはスムーズで、グラフィックはSwitchで最近発売されたポケモンシリーズの2世代先を行っている。任天堂ハードの性能には限界があるにせよ、今のポケモンゲームはSwitchの性能でさえも活かしきれていない状態で、多くの部分が長年にわたり惰性で開発されてきたように思える。

『パルワールド』の開発チームは、少人数で経験が浅く、予算もほとんどなかったにもかかわらず、25年の歴史を誇る世界最大級のエンターテインメントブランドと肩を並べるものを作った。現在のかたちでは、ポケモンほどの長寿シリーズには決してなれないだろうが、これまでに成し遂げたこと、その結果として驚異的なプレイヤー数を獲得したことにより、『パルワールド』はすでに近年まれにみるサクセスストーリーとなった。

『パルワールド』の将来は、開発元のポケットペアが迅速にチームを拡大し、諸問題の修正とコンテンツ追加を実行できるかどうかにかかっているだろう。それが可能かどうかはわからないが、私はもし『パルワールド』を今やめたとしても、楽しく満足した時間だったと思える。ただ、プレイをすぐやめるとは今のところ思えない。

本作は未完成の早期アクセスゲームであるため点数はつけないが「プレイすべき」との評価で本レビューを終えたい。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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