この本では、地震が起きる前、起きたとき、起きた後のそれぞれの場面で必要なものやとるべき行動を、子どもたちの実体験をもとに紹介している。たとえば、藤川花音さんは、避難所でのぬいぐるみ作りを提案している。プライバシーがない避難所の生活はストレスが溜まるので、ぬいぐるみがあればよかったと感じた。ただ、かさばるぬいぐるみを避難所に持っていくのは難しいので、避難所で簡単なぬいぐるみが作れたらストレス緩和になり、作り方を覚えておけば「小さな子どもたちのためにもなる」と藤川さんは助言している。
また、熊本地震の経験者や、同じ震災国であるネパールの人たちのインタビューをとおして感じたことが、子どもたちの視点でまとめられている。
小学校1年生で被災した同校の児童たちが5年生になったとき、学校で「みんなが助かる防災」をテーマにした探究学習「災害被害≒0プロジェクト」が始まり、子どもたちは防災活動に励んだ。本を作るきっかけは、防災イベントを開催したものの参加者が200人と少なかったことだ。もっと多くの人の防災意識を高めたいと感じた子どもたちは、2年間の活動を本にして出版することを決めた。
制作には防災研究家の河田惠昭社会安全研究センター長や関西大学の教員たちも加わっている。社会安全学部の教員たちから「防災行動を実際にやってみた! そしてこう思った! というコンセプトが面白い」と言われたことが、子どもたちの心に「火をつけた」という。
『やってみた!いのちを守る64の防災活動:小学生の体験レポート+専門家のアドバイス』(さくら社)
1650円(税込)
2024年2月9日(金)発売
プレスリリース