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2024.02.09

社長以下 役員15時間の大議論 三井住友トラスト100周年 企業スローガン策定の舞台裏

2024年4月15日に創業100年を迎える、三井住友トラスト・グループ。100周年にあたりブランドスローガン「託された未来をひらく」を策定し、1月からはテレビCMを放映するなど、新たなブランディング活動を推進している。

信託銀行を中核に独自の価値提供を推し進める同グループは、いかにブランディングに取り組んできたのか。そして、次の100年をどのように見据えているのか。三井住友トラスト・ホールディングス コーポレートコミュニケーション部 山城正也と、同社のブランディングにアドバイザーとして携わる日本IBM インタラクティブ・エクスペリエンス(IBM iX)末廣英之が語り合った。


アイデンティティーをひとつに束ねたい

末廣英之(以下、末廣):我々、IBM iXは「企業のEX(従業員体験)とCX(顧客体験)の変革」を目指したコンサルティングを行っており、三井住友トラスト・グループのブランディング・プロジェクトもEXとCX双方の視点でご支援させていただいています。1月からは、新たなテレビCMの放映が始まりました。社内の反響はいかがですか?

山城正也(以下、山城):かなり好評で、関心も高いですね。60秒のブランドムービーは、YouTubeでは、1か月で約200万回の再生を記録しています(1月末現在)。

末廣:100周年にあたり策定したブランドスローガン、「託された未来をひらく」を多くの方に知っていただけると思うと、我々としても感慨深いです。

山城:末廣さんはじめ、IBMの皆さんにも制作をサポートいただき助かりました。もう2年ほどのお付き合いになりますか。

末廣:グループ全体でブランドをどう管理すべきかとご相談いただいたのが始まりで、当初はブランドスローガンを作る話はなかったと記憶しています。ブランド戦略に注力するためにコーポレートコミュニケーション部(以下、CC部)を創設されたのも、ご一緒してからのことでしたよね?

山城:創設は2022年4月です。2011年の経営統合を経て、グループの姿が変化してきたことがCC部創設の背景でした。信託銀行の業務は現在も大きなウェイトを占めていますが、同時に資産運用、資産管理、不動産関連事業など、グループ内の特徴あるビジネスの存在感が更に大きくなり、金融機関としての独自性がよりクリアになってきたと考えています。

末廣:一般的な「銀行」のイメージには、収まりきらなくなってきたと。

山城:多様なビジネスを手がければ、「知ってもらいたいこと」も膨らんできます。当社の資産運用残高は125兆円でアジアNo.1ですし、証券代行や年金ビジネスも含めれば、資本市場で大きなプレゼンスを持っている。遺言信託や不動産仲介など、扱う分野も多岐に渡ります。
三井住友トラスト・ホールディングス CC部 山城正也

三井住友トラスト・ホールディングス CC部 山城正也

末廣:銀行は、ともするとゼネラリストが集うイメージがありますが、三井住友トラスト・グループはまったく逆の印象ですよね。スペシャリストがそろっていて、多様な専門性を持っている。

山城:だからこそ、グループのアイデンティティーをひとつに束ねたい、という思いがありました。それぞれの専門性をバラバラに発信しても、「三井住友トラスト」というブランドイメージは定着しないでしょうから。

末廣:そこで100周年を機に、アイデンティティーが一言で伝わるようなブランドスローガンを開発しよう、という話になったんですよね。

山城:もともと、当グループには「信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる」というパーパスがあるのですが、社員やお客さまに一言で伝えることを考えると、その趣旨をもう少しシンプルな表現で伝えるものも欲しかったんです。

また、パーパスは「信託の力」で始まります。グループでも信託業務をしていない人にとって、「信託」を機能として捉えてしまう人もいるわけです。パーパスを自分ごととして捉えてもらえるよう、「信じて託す」という本質を受け止めてもらうためにも、新たにブランドスローガンが必要だと考えました。

「質問力」で合意を導く

末廣:ブランドスローガン開発の場では、ホールディングス、信託銀行の両社長含め、役員の皆さまも多数参加されました。総勢15名の役員の方々によるディスカッションを、全部で5回やりましたよね。多忙な方々をそこまで拘束していいものか迷いもありましたが……。ふたを開けてみるとすごく盛り上がって。

山城:盛り上がりましたね。特に2回目のセッションは印象に残っています。1回目は「ブランディングとは何か」を共有するところから始めて、2回目は議論を一度発散させるために、用意したテーマに対して思っていることを、とにかくお互い好きなように話してもらったんですよね。

私は事務局の立場だったので、うまくいくかどうかヒヤヒヤしながら見守っていたのですが、2時間も3時間も議論が途切れなくて。後になって、議論に参加した役員からは「腹を割って楽しく話せたおかげで、普段以上に深い議論ができた。楽しかった」という感想をもらいました。

末廣:役員の皆さまが互いに遠慮や忖度をすることなく、言いたいことを言い合う様子に驚きました。大きな企業なのに、互いに意見を言える文化があるのだなと。

山城:IBMさんから「合意」についてお話いただいていたのが印象に残っています。テーマに沿ってそれぞれの考えをすべて出し切ったうえで、「最終的な結論に100パーセント賛成できないとしても、『みんなの考えを理解した上で得た結論なのだから応援しよう』と思えるのが“合意”です」とおっしゃって。

このお話を踏まえて、「みんなの合意点は、ここだね」という議論ができたのは、とても良かったですね。最後も、多種多様な意見を強引にまとめるわけでもなく、それでいて「自分たちが導いた」と思えるものになりました。このスローガンが自分たちのものになったと感じています。

末廣:コンサルティングと聞くと、あらかじめ決められた型に誘導するようなイメージを持たれる方もいるのですが、我々はファシリテーターとして議論をまとめたり、促進したりすることに徹していました。ですから、その意味では、皆さんが自分たちで議論を発展させた結果として生まれた結論なんですよ。
日本IBM iX事業部 末廣英之

IBM iX 末廣英之

山城:でもそれが不思議で、末廣さんと飲みに行ったときにファシリテーションの秘訣を聞いたら、「質問力です」と答えてくれましたよね。相手に考えてもらうために、何を質問するか、どんな言葉を投げかけるかがすべてだと。

こうしたファシリテーションの力を社員にもつけてもらいたいということで、新しい取り組みも始まっています。現在、100周年記念事業を社内で推進していくために、グループ全体で約430名の社員をアンバサダーとして任命しているのですが、他の社員を巻き込む力をつけてもらうために、IBMさんに講師をお願いして、アンバサダー全員に1泊2日のファシリテーション研修を実施しました。非常に好評で、普段の業務でも使えそうだという話になっていますね。

末廣:社員の方にもファシリテーションの可能性を感じてもらえたのは、良かったです。ブランドスローガンに話を戻すと、その後、4つほどに候補を絞り、グループインタビューを行いましたよね。信託銀行をはじめ、グループ会社の方々、年齢や性別もさまざまな約30名に意見を伺いました。皆さんの反応を受けて、いかがでしたか?

山城:うれしかったですね。候補の中には「託す」という言葉を含むものと含まないものがあったのですが、社員の皆さんはその言葉をすごく支持していたんです。

「託す」「託される」という言葉は、信託の根本にあたるものです。その思いが社員の間に潜在的に浸透していたことが、とても印象的でした。

「客観性」と「サイエンス」を大事にしたい

末廣:改めて100周年という節目を迎えて、今後、信託グループの役割はどのように変化していくと思われますか?

山城:さかのぼれば、およそ100年前の1922年に信託法・信託業法が制定された後、1924年に三井信託が、1925年に住友信託が生まれました。戦前の不安定な時代に「信託」という仕組みが必要とされ、信頼できる信託会社として、今日まで歩みを続けてきたわけです。

社会課題の移り変わりに応じて、信託の形は変化してきました。戦後は、貸付信託を中心に長期資金を調達し、日本経済の復興を支えてきましたし、その後も年金信託や土地信託など、さまざまな信託の形が生まれました。最近では、高齢化に伴う遺言信託のニーズは増え、「おひとりさま」やペットの信託などの商品も開発しています。お金以外の資産も託してもらえる柔軟性を活かしています。

また、資産運用・資産管理や不動産で、日本の資本市場、資産市場のインフラ的な役割を果たしています。社会において資金・資産・資本の好循環を促進させる中で、託されることはより大きくなると考えています。

末廣:これからさらにブランディングを進めるうえで、IBMに期待されることなどありますか?

山城:より戦略的にブランディングに取り組みたいと考えていますので、全体のプランニングやPDCAのデザインなどのフレームワーク構築をはじめ、力を貸していただければと思います。

また、私個人としてはコンサルティングをお願いするにあたり「客観性」と「サイエンス」を大事にしたいと考えています。ブランディングはどうしても感覚的な要素が多くなり、何が良いかの判断があいまいになるリスクがあります。専門家として冷静かつ客観的な意見が欲しい。また、仮説と検証を繰り返すことで、定性的ではなく定量的に施策を進めたい。今回のブランディングでも、この2つは重視していましたし、IBMさんには十分サポートいただいたと感じています。

末廣:ありがとうございます。100周年を機に、ブランドスローガンやテレビCMが生まれたわけですが、これらは2年前には予期していなかったことでしたよね。「組織をより良くしていこう」「体験をもっと作っていこう」と皆さんが議論を重ねた結果、「やるべきだ」と形になったものでした。

社員ファシリテーターの育成もそのひとつでしょうし、これから先、組織風土を変えることもスコープに入ってくるかもしれません。来年の今ごろ、また新しい何かが生まれている可能性もあるのではないでしょうか。

山城:確かに、現在進行形で変化が続いています。やはり、社員を大事にしたいという思いが中心にありますので、これからもさらに取り組みを続けられたら。ひいては、組織強化によって新たな価値を創出し、お客さまに還元できたらと思います。

IBM iX:https://www.ibm.com/jp-ja/consulting/ibmix
三井住友トラスト・グループ 100周年特設サイト:http://www.100th.smth.jp

Promoted by 日本IBM/Text by 井上マサキ/ photograph by 栃久保誠 / edited by 水上歩美(ノオト)

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