バイデン陣営は、トランプへの攻撃を戦略の中心に据えており、前大統領を「米国政府と市民社会に対する致命的な脅威」として強く印象づけることで、バイデン大統領への不安を打ち消そうとしているとNYTは伝えている。
民主党は、中絶の権利に重点を置いてトランプを攻撃し、共和党が米国人の自由を脅かしていることをアピールする計画だと報じられている。
バイデン政権の関係者は、伝統的メディアでニュースを知る有権者が減少していることを踏まえ、著名人やインフルエンサーがインスタグラムやTikTokなどでバイデン大統領を後押ししてくれることを期待して、すでに働きかけを開始したとNYTは報じている。
テイラー・スウィフトは、2020年の選挙でもバイデン大統領を支持しており、彼女からの支持を得ることは「バイデン陣営が最も望むことだ」とされる。陣営内では彼女の支持を得るための方法について、すでに多くの提案が行われており、バイデン大統領をスウィフトのツアーに参加させる計画も浮上したという。
1月のロイター/イプソスの世論調査でのバイデン大統領の支持率は43%で、他の世論調査と同様にトランプの支持率を下回った。大統領の支持率の低下は、ロバート・F・ケネディのような無所属の候補者の台頭の影響も受けている。
一方、スウィフトはすでに、選挙に影響力を持つことが証明されている。昨年9月に彼女は、インスタグラムの投稿で2億3200万人のフォロワーたちに、選挙のための有権者登録を行うように呼びかけ、Vote.orgのリンクをシェアした。その結果、3万5000人以上の新規登録があったとニュースサイトAXIOSは報じていた。
トランプが共和党の指名をほぼ確実にしたことで、2024年の選挙への注目が高まっている。元大統領はアイオワ州とニューハンプシャー州で圧勝し、ニッキー・ヘイリー元国連大使を除く主要な競争相手のほぼ全員が選挙戦から脱落した。
一方、バイデン大統領はここ数カ月、有権者がガザでの戦争や移民問題などへの対応に懸念を示し、彼の81歳という年齢にも懸念を高める中で、支持率の低下に直面している。
また、選挙キャンペーンが遅々として進まず、選挙イベントの少なさや十分な人員配置ができなかったことでも、多くの批判に直面しているとNYTは指摘した。しかし、そのような懸念にもかかわらず、大統領は資金集めに成功しており、2023年第4四半期には1億ドル(約147億円)近くを集めたとされている。
(forbes.com 原文)