飼い主と同じペット用香水も登場
また、韓国のペット市場では、価格パフォーマンスより心理的満足が優先されると言われている。よって、高額のプレミアムペット製品が人気だ。225万ウォン(約24万7000円)のペットハウスや28万ウォン(約3万円)のペット用専用カーシート、15万ウォン(約1万6000円)の犬用階段、35万ウォン(約3万7500円)もするペット用の食器も飛ぶように売れている。
ペット用ライフスタイルブランドである「モンシュシュ」は、昨年の売上が同期対比108パーセントも伸長した。
また、ペット用デザインブランドの「ハウルフィット」は、女性用ニットブランドの「ジュヌセクァ」とコラボして売り出したペット用ニットが5万ウォン(約5500円)という高額にもかかわらず品切れとなるなど、爆発的な人気となっている。
大手企業もペット市場に参入していて、「BYC」という下着メーカーは、ペット用の下着を発売し、昨年はペット用エアーメリヤスやボディヒートなど、機能性下着をヒットさせた。
韓国のファッションブランドの「へジス」は、ブランドのベストセラー製品をペット用のラインとしても発売しており、執事(飼い主)と同じルックで着られるようにもしている。
また執事とペットが同じ香りで使えるように、人間用の香水と同じフレグランスで開発されたデオドラントやローションなども良く売れている。そこで、韓国の大手コスメブランドの「イニスフリー」は、ペット・ライフ・ケアと称して「グリーンペットクラブ」をローンチし、足洗浄剤やミストなどのケア製品を発売した。
「スターバックス」は、韓国初のペットと一緒にくつろげるペット同伴店「クリカルメDT店」をオープンさせた。ここでは、ペットと一緒に飲食ができる。ガラスで覆われたブース席もあり、ペットと一緒に来店した顧客が安心して利用できる。
韓国ではまだ狗(犬)肉が食べられており、ペット人口が増えるにつれ、狗肉を食べる文化に対して否定的な意見が増えてきた。そこで、この1月9日に「犬の食用目的の飼育と殺及び流通など、終息に関する特別法案」が国会本会で99パーセントの賛成を得て可決された。2027年から「狗肉食用禁止法」が施行される。
これまで合法に狗肉を扱う市場が形成されていたが、猫の場合も関節にいいからと野良猫を捕らえて他の薬草などと一緒に煮込んで「栄養汁」として売っている店もある。これからはこうした店などもなくなり、ペットになった犬や猫はお殿様暮らしとなることだろう。