Canvaは調査会社のSagoに委託し、米国、英国、インド、ドイツ、スペイン、フランス、メキシコ、ブラジルで、人材募集中の管理職5000人と求職者5000人を対象に調査を実施。求職者の45%が、履歴書の作成・更新・改善に生成AIを利用したことがあると回答した。Canvaによると、同社のAIテキスト生成ツール「Magic Write」は2023年、500万回使用されたという。一方、Grammarly(グラマリー)が提供するAI履歴書スキルジェネレーターは、3000万人のユーザーを集めている。しかも、これらは氷山の一角に過ぎない。
企業側もAIが作成した履歴書を許容
調査では、人材募集中の管理職の90%が、応募書類での生成AI利用を許容できると回答。半数近く(44%)が、面接プロセスに関するあらゆるコンテンツの作成にAIを使用しても問題ないと回答した。過半数(67%)は、生成AIを使って書かれた履歴書は読めばわかると考えていた。しかし、この最後の数字は、自分が運転のうまいドライバーだと自負することにも似ている。自分の運転に対する自信があっても、実際には違うこともあるだろう。人がAIを見分ける能力は、少々過大評価されているかもしれない。
いずれにせよ、2024年には履歴書についてある新しいトレンドが生まれつつある。それは、視覚的要素の利用だ。管理職の約60%は、視覚的要素を含む履歴書を好むと回答。71%は、純粋なテキストベースの履歴書は5年後には時代遅れになると答えた。
履歴書と職務経歴書にAIを使うべき理由
Canvaのグローバル人材獲得責任者エイミー・シュルツは米放送局のFOXビジネスに対し、求職者はこの調査結果を受け、AIを「良い出発点」として安心して使い続けることができると指摘。「求職活動は本当に大変で、とても気が重くなることもある。だから、それを少しでも楽にできるものがあるなら、活用するべきだ」と語った。調査によると、管理職が履歴書に目を通す平均時間はわずか7.4秒だ。だが、それでも長い方かもしれない。ディズニーの元リクルーター、サイモン・テイラーは米放送局CNBCに対し、採用担当者は履歴書を3~5秒しか見ないと語り、「5秒は長いほうだ」と述べている。
賢い求職者にとって、現在の市場で成功を収めるためには、最新のツールを利用することが重要だ。履歴書でのAI使用については、企業側も許容するようになっている。
(forbes.com 原文)