「今、何を面白いと思うのか」。「面白い」という言葉の解釈は、人によってさまざまだ。また、世の中には情報が溢れているが、一人ひとりの興味関心に即したレコメンドアルゴリズムの存在などもあって、それぞれが注目している情報の内容やその深度は大きく異なる。
そのなかで、UNDER30世代は今何に注目し、何を面白いと思っているのか。Forbes JAPAN 「30 UNDER 30」のアドバイザリーボードを務め本特集(part7)を監修した放送作家、白武ときおをファシリテーターに迎え、過去受賞者3人の頭の中を探る。
「推し」ができると面白い?
白武ときお(以下、白武):仲が良い人どうしでも、個人的に面白いと思っていることは、聞いてみないと意外とわからなかったりしますよね。皆さんが面白がってることを聞いてもいいですか?赤荻瞳(以下、赤荻):私は、男子中学生のミスターコンですね。2015年から毎年「男子高生ミスターコン」「女子高生ミスコン」という、日本一イケメンな男子高生と日本一かわいい女子高生を決めるコンテストが開催されているのですが、23年からその中学生部門が新設されたんです。ファッション誌『egg』 を復刊させたエムアールエーの関連会社が主催しています。
このコンテストは、一般の人が審査員として参加するのですが、半年ほど設けられている審査期間に候補者のSNSを追いかけながら、投票する子を決められるようになっています。中学生はまだまだ成長途中なので、半年の間に人間としてもタレントとしてもぐんぐん成長していく過程を見られて面白いんです。私はこれまでアイドルやタレントにハマったことはなかったのですが、推し活に目覚めてしまったかもしれないです。
白武:真子さん、東さんのお2人は、推している人はいますか。
真子千絵美(以下、真子):私はシンガーソングライターの岡崎体育さんですね。ライブにひとりで足を運ぶくらい、すごく好きで。歌や声が素敵なのはもちろんなのですが、個人的には、歌い手を超えて「企画者」だと思っています。
面白かったのが、19年6月にさいたまスーパーアリーナで行ったワンマンコンサート「BASINTECHNO」で、新曲「トロッコにのって」を初披露したとき。トロッコに乗りながらすごく良い感じの曲が始まったのですが、サビに入ったら「なんでトロッコで歌う曲が初披露の曲やねん」みたいな歌詞になって。私も、知らない曲ながらもノって聴いていたので、その状況を歌詞で突っ込まれて笑わせられました。
彼はライブをただ単に曲を披露する場ではなく「体験の場」として企画している気がしていて、生で見たいと思うんですよね。
東佑丞(以下、東):私はまだ人にハマったことはないのですが、推し活に熱中している人を見ると、なんだかいいなと思います。